校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

10月27日初等科朝礼 「ミラクルバナナ」 ハイチのバナナの木から作られた紙の絵本

2021.10.28

 絵本は子どものためだけのものではありません。中高生が見ても、大人が読んでもとても楽しいものです。中高等科の図書館で見つけた少し珍しい絵本には、ハイチのバナナと関わる「ミラクル」なストーリーがありました。ちょうど初等科生たちは、8月のハイチ大地震への支援の寄付や祈りの活動をしています。子どもたちとハイチのミラクルを考えました。

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 バナナは好きですか?朝食に食べてきた人もいるかもしれません。おいしい果物です。デザートやケーキを作ることもできます。中高等科の図書館で「ミラクルバナナ」という絵本を見つけました。表紙にすてきな絵があって、何だろうと思って見てみました。ミラクルというのは、何かとてもすごいこと、不思議で、あり得ないようなこと、つまり奇跡のことです。この絵本を手にとってみると、紙がゴワゴワしてなんだかシワシワです。水にぬれてこうなってしまったのかしらと思ったら、そうではありませんでした。この絵本の紙、バナナから作られた紙だったのです。それもハイチのバナナでした。どのようにしてバナナから紙を作るのでしょう?バナナの幹の皮をはいで、そこから繊維をとって紙を作るのだそうです。

 この本にはたくさんのハイチの子どもたちが出てきます。そして、おばあさんとなぞなぞ遊びをします。バナナの不思議についてのなぞなぞです。バナナは背の高い木になり、実はふさのようになって実ります。ハイチは暑い気候ですから、植物はどんどん育ちます。バナナもどんどん育ちますが、バナナは1度実がなったら、その木はもうそれで終わりとなり、切り倒します。そうすると、次の幹が育って、また実がなるのだそうです。バナナはすごい、ミラクルです。そして、バナナの幹の皮からは紙を作ることができます。実がなったら切り倒して、捨ててしまう幹から紙が作れるとはとてもすごい。ミラクルです。

 そこで、ハイチの国ではバナナの幹の皮の繊維から紙を作り、バナナペーパーとするプロジェクトが始まったそうです。バナナから紙ができるとは驚きです。バナナペーパーの絵本の紙は少しゴワゴワですが、和紙のようにしっかりしています。今もその紙は作られているのでしょうか。ハイチでは災害や地震が起こり、社会が混乱しています。調べてみましたが、様子がよくわかりません。

 バナナペーパーは今ではアフリカのザンビアという国のバナナで作られているようです。紙として、封筒、名刺、カレンダー、包装紙など色々な製品があります。それらを作っている会社はSDGsに注目して、環境にやさしい、国と国が協力するという点を実行していると考えています。

 初等科では、各教室にハイチの人々へのお祈りのハートが掲示してあります。ハイチの人々のことを考えて祈ることは今とても大事です。そして、ハイチについて知ることも大事です。どのような国なのか知り、そこから、なぜかなと考えることが大事です。なぜ貧しいのか、なぜ災害が多いのか、なぜ社会が不安定なのか、考えることが大事です。

 祈ることは、つながることです。祈りを続けましょう。そして、知ること、考えることも、つながることです。知ること、考えることを続けましょう。

「ミラクルバナナ」 作 ジョルジュ・キャストラ/ロドニィ・サン・エロワ 絵 ルイジアーナ・サン・フルラン 文 加古里子  2001年 学研 

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