校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

7月8日 中高等科 夏休み前の集会

2021.07.10

 例年7月半ばには各学年の校外学習を実施します。今年は12日から8年、9年、11年、12年で活動を計画していましたが、コロナウイルス感染症流行のために計画変更となり、大変残念です。オンラインでの活動となった学年、延期となっている学年もあります。今年度は8日に中・高等科それぞれで音楽の日を行い、夏休み前の全校最終登校日としました。

 音楽の日は、例年の合唱コンクールに代えて、ボディパーカッションでの表現を各クラスから発表しました。それぞれに工夫があり、音楽の新しい楽しみを発見し、皆で共有する豊かな時間となりました。中等科の発表ではクラッピングの音色の多様さに驚かされ、高等科の発表ではパートごとに応答し合う響きとリズムが、言語を超えた対話の可能性を見せてくれました。生徒の発表後には、2人の奏者を招いてのマリンバとパーカッションの演奏を聴き、心が満たされる時を過ごしました。

 ~~***~~

 今日で4月からの学校生活が終わります。明日からは、去年よりもずっと長い夏休みです。

 これまでの日々はどのようだったでしょうか。皆、一生懸命に過ごすことができました。今回も、去年はできなかった合唱コンクールに代えて、音楽の日としてできる限りのことをしました。歌が歌えないことはとても残念なことですが、音楽の今までになかった面をみつけられたのではないでしょうか。

 今まで色々なところで工夫しながら、新たなものを生み出してきました。遠足の代わりの親睦の日や、聖マグダレナ・ソフィアの祝日、みこころの祝日のミサと行事も例年とは違ったものとして心に残るものとなりました。部活動が621日から再開され、皆さんが17時までではあっても活動に打ち込むことができるようになったことも良かったと思います。活動できない間も、それぞれに色々な工夫をして進んできました。

 一方、残念なこともありました。運動部の方たちが緊急事態宣言中の試合に参加することができなかったことは、とても残念なことでした。また、予定されていた校外での8・9年の体験学習は宿泊の形では実施しないことになり、11年生の長崎研修旅行も延期となりました。それでも、今の計画を存分に楽しみ、学ぶ経験ともすることを願っています。

 このような学校生活の中で、今年の目標「希望の作り手になる 変化を生み出す 変容を生きる」を皆で実践してくることができました。皆で学校生活を作りあげてきました。例年と異なること、普通にできないことにも出会い、一所懸命に考えながら進んできました。新しいことに取り組んで、きっと楽しさを発見することもできたでしょう。その中で、変化を生み出すこともできました。その実感がありますか?

 明日から夏休みになります。7週間という、去年よりずっと長い夏休みです。上手に時間を使ってください。今までは決められた毎日の時間割の中で過ごしてきましたが、これからはそれぞれ自分で時間割を決め、スケジュールをたてる生活です。大きな自由があります。それをどのように使いますか?やりたいこと、やるべきことに自ら取り組む時間です。充実感、達成感の得られる日々としてください。

 そのために、3つのことをお話しします。

 まず、変化を生み出すことを心がけてほしいということです。きっかけをつかんでください。何かについて「知らなかった!」という驚きは、変化を生み出す大きなきっかけとなります。「知らなかった!」と気づいたときに、それをそのままにしないで、次ぎの行動につなげてください。驚くこと自体が心の中に変化をもたらしています。「知らなかった!」という驚きは、勉強の中にも、人との関わりの中にも、身体を使った活動の中にも、読書にも、自然の中にでも、色々な場面で起こります。自分の中の変化をつかみ、小さくても新しい行動を起こしてください。これではだめだ、と思って立て直すということでも、自分に変化を生み出すことになります。

 2つ目は祈りの大切さです。私たちは学校生活では毎日、朝礼・終礼で祈ってきました。夏休み中はどうぞ自分で祈りを大切にしてください。朝の放送での祈りは、中等科も高等科も当番の方たちが一生懸命に考えて、毎日良い祈りをしてくださいました。それを耳にして一日を始められたことは大きな意味がありました。祈りは、私たちの心と行動を導きます。祈っていればそれだけで良いというものでないことは、皆さんも感じているとおりです。しかし、考え、行動していればそれで良いかというと、それだけでも不十分です。私たちには祈りと考えること、そして活動の両方が必要です。聖マグダレナ・ソフィアは祈りをおろそかにする人に対して、勉学や礼儀作法や活動で成功を収めるかもしれないが、祈りがないと基礎が欠けていると言っています。基礎とは土台や中心の芯を指します。一番大切なものは、神様に向かう魂と心ではありませんかと言っているのだと思います。祈りが魂と心の向かう方向を導き、定めますということです。そして、祈りによって私たちの行動の向かう方向が定められます。皆さんの良いところが活かされるように、力が存分に出せるように、祈りによって進んでください。一日の終わりにはほんの少しの時間でも神様と共に過ごしてください。

 3つ目は楽しむ、遊ぶということです。今年は夏休みが長いのに、遊びの計画は立てづらいでしょう。海外に行くことはできません。国内での旅行も不自由です。友だちと遊ぶと言っても、人ごみを避けなければならないし、おしゃべりしながら食事をしたり、お菓子を食べたりすることができません。その中で自分の健康、まわりの人の健康を守りながら、楽しみ、遊んでほしいと考えます。よく考えて、工夫してください。例年通りのことはきっとできません。しかし、そこで今までにないことを考えて、こういう楽しみ方、遊び方もあったかと発見してください。普通の生活ということの中に楽しさや遊びがみつかるかもしれません。普通に生きている、ということだけでもすばらしいことです。「こういう楽しさ知らなかった!」ということがあれば、変化を生み出しています。

 学年の活動やクラブ活動でこれからも登校してくることでしょう。図書館も開いています。たくさんの本も皆さんに驚きを用意して待っています。皆、元気で良い日々を過ごし、8月31日に再会しましょう。

このページのトップへ
このページのトップへ