校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

7月7日 初等科朝礼 七夕の日 OriHimeロボット

2021.07.09

 7月7日七夕を迎えました。初等科では1年生・2年生が七夕飾りを作り、短冊に願いごとを書きました。この日の朝礼では、七夕の織り姫と彦星の物語を考えながら、OriHimeロボットを紹介しました。上の画像がOriHimeです。オリィ研究所のHP上の画像をお借りしました。

 七夕の物語に登場する織り姫と彦星の二人は、1年に1回だけ出会うことが許され、日頃は強い願いを抱えながら生きているからこそ、多くの人の願いごとがかなえられるよう計らってくださるのでしょう。そしてこのOriHimeロボットは身体の不自由な方、動けない方の願いをかなえてくれるロボットです。

 OriHimeはオリィ研究所が製作されている遠隔操作ロボットです。卓上に置くOriHimeと、子どもほどの大きさのOriHimeーDの二つがあります。OriHimeは目が大きく、光っていて、髪の毛はありません。色は白です。腕の代わりにペンギンのような翼がついていて、動きます。移動することはできません。しかし、話ができます。OriHimeーDは120㎝の大きさで、腕があり、ものをつかんだり、運んだり、ホウキを持つこともできます。足はありませんが、長いスカートの下に装置がついていて、移動することができます。話をすることもできます。病院の受付などにあるロボットと似ていますが、OriHimeーDはあらかじめ記憶させたプログラムで動いたり、話したりしているのではありません。コンピュータで遠隔操作しています。別の場所にいる人がロボットから来る情報をコンピュータの端末上で見て、ロボットの動作を操作し、ロボットが出会っている人と対話します。

 OriHimeは身体の不自由な方、障がいがあり移動が制限される方などの代わりに、活動することができる「分身ロボット」とされます。6月29日の朝日新聞にはこのOriHimeーDが活動するカフェの開店の記事が掲載されました。このロボットにより、通常の就業をしづらい方々でも働くことができ、人と出会うことができます。また、たとえば旅行をする人にOriHimeを持参してもらえば、実際には移動ができない人でも、端末を通して旅先での風景を楽しみ、人と出会い、話すことができます。

 OriHimeはビジネスや教育での利用に大きな可能性がありますが、それよりもさらに、障がいのある方々に対して活動の可能性を広げることができることが重要です。端末を通して画像で繋がるという機会を多くもつこの頃ですが、OriHimeは画像だけでなく、ひとつの存在として人と関わることができます。OriHimeは身体の不自由な方々の願いをかなえています。

 OriHimeを紹介することによって、子どもたちがロボット技術の可能性を知ると同時に、身体が不自由であったり、障がいがあったりする方についても理解を深めることを期待しています。12年生宗教の授業でもOriHimeを紹介し、障がいのある方々と共に生きる社会のあり方について考えます。科学技術は、いのちを脅かす可能性も、いのちを活かす可能性もあるものであると理解し、これをどのように使うかということが人間に託されている使命であることを学んでいます。

 オリィ研究所 https://orylab.com

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