校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

7月1日中高等科朝礼 大きな見方で関わりを作る 朝日地球会議Plus「日本が増やしている?世界の児童労働」

2021.07.03

 6月30日に朝日地球会議Plusで児童労働についてのシンポジウム「日本が増やしている? 世界の児童労働」がありました。世界の現実について学ぶところの多い内容でした。特に、多様な考え方が存在する世界で実効性を得るためには、ものの見方、広い視野の持ち方が重要なことに改めて気づかされるところがありました。生徒たちの日常生活に関わる形で考えてみることにしました。(上の画像は朝日地球会議PlusのHPから取らせていただきました。)

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 朝日地球会議Plusで児童労働に関するシンポジウムがありました。これは朝日新聞が主催するもので、企画には卒業生も関わっています。これについては皆さんにもお知らせしたので、聞いた方もあるかもしれません。

 児童労働は学校に行くべき年齢の子どもたちによる労働です。不利な状況で働かされ、教育を受ける機会を奪われてしまいます。世界全体の子どもの10人に一人が児童労働にあたるということです。10人に一人と言っても地域による偏りがあり、とても少ない国ととても多い国があります。日本は少ない国に含まれますが、見えないところで児童労働が存在していないわけではありません。

 シンポジウムは司会者の他に2人の登壇者がありました。司会者は朝日新聞でSDGsを担当している記者でした。登壇者の一人は児童労働の問題に取り組む非特定営利活動法人ACEの代表者、もう一人はビジネス、政府関係の役割、NPO法人の活動の3種類の仕事を掛け持ちしているという方でした。この方は多忙を承知で3つの異なる種類の仕事を合わせる中で、残念ながら存在する「ずるいことをするとお金がもうかる」というビジネスの現実を変えていきたいと考えているということです。このシンポジウムを聞いて、自分の目に見えることばかり考えていたり、自分が何にどう関わっているか知らないでいることが多いことに気づかされ、大きな目でものを見る必要があることを改めて感じました。

 児童労働はチョコレートの原料であるカカオ、コーヒー、コットン、携帯電話やスマートフォンに使われる貴金属などの生産現場で多く見られるということです。私たちが日常使う物品です。これらについて問題点がわかっても、ビジネスには多くの企業が関わっているので、公平な競争関係が作られないと問題は解決しません。一つの会社だけが努力しても効力はなく、多くの会社で協力しないと解決は見られません。そして、ビジネスは大人の世界のことかもしれませんが、私たちが日常生活でものを買うときに、児童労働は関わってきます。ものの見方が大切だということになります。広い視野を持って、大きなものの見方をしないと、問題は見えてきません。色々な立場の人がいることを知り、色々な人の話を聴き、事実を知ること。自分のこととして考えること。知ったことを自分だけにとどめず、伝えていくこと、これらのことの大切さをこのシンポジウムで学びました。

 学校生活の中ではどうでしょうか。色々な考えの友だちがいます。自分と違う考え、気持ちを持っている友だちのことをひとごとと考えず、自分だったらどう感じるかと考えてみることが大切です。正直であることも重要です。良かったこと、良くなかったことを正直に見つめる。むずかしいこと、嫌なことにも目を向ける。うそをつかないことも大事です。本当のことは何か、と問いかけましょう。本当のことは実は都合が悪いことであるかもしれません。

 友だちとよい関わりを持つために、その場限りでなく関わること、人に流されないこと、都合ではなく、自分の良さや本当の気持ちで関わること、これらの3つが大事です。友だちと協力して前に進んでほしいと願っています。

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