トップページ > Spirit of "Mikokoro" > 6月24日 中高等科朝礼 沖縄に耳を傾ける
6月23日は沖縄慰霊の日です。初等科ではその日の朝の祈りで、児童が沖縄のために祈りました。中高等科では、翌日になりましたが、生徒と共に沖縄に思いを向けました。
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放課後3時過ぎに、学校の真上をジェット機が通り、ものすごく大きな音がすることに気づいたことはありませんか。天候によってはひっきりなしに、5分間に一機か、それ以上が通過しているかもしれません。窓を開けていると、話している人の声も聞こえないほどです。去年の春に羽田空港への新しい航路が開かれてのことです。羽田空港発着の国際便が多くなり、便利になったと思っていたら、その結果として騒音と事故への心配に悩まされることになりました。便利さとの引き換えです。ものごとには、表と裏、色々な側面があるということを改めて知らされるできごとです。今まで他の地域の人が騒音や心配を引き受けてくれていた、そのことを知らなかったということです。
6月23日は沖縄慰霊の日です。76年前の出来事について、戦争末期の沖縄で亡くなられた多くの人々のことを思って祈る日でです。沖縄の人々には特別な、深い思いのある日です。76年前に沖縄で何があったかは、一人ひとり自分で調べて知ってください。この日には、沖縄の人々には日本全体に向けて伝えたいことがあります。そして、過去だけではなく、今のことも沖縄の人々は伝えたい、訴えたいと考えているでしょう。沖縄には美しい観光地の側面だけでなく、日本社会の中で担っている別の面があります。色々な考え方、主張がぶつかっている地です。沖縄の人々は自分たちの声は届いているのか、自分たちの思いを知ってほしいという強い願いを持っているのではないでしょうか。何を聞いてほしいと思っているのか、私たちは耳を傾け、受け取る必要があります。学校の上空を飛行機が通過し、うるさいと感じるときに沖縄の人々のことを思い出しましょう。
慰霊の日の追悼式が昼休みの時間帯にありました。中学2年生の自作の詩の朗読がありました。その詩が新聞に掲載されました。「みるく世」(みるくゆ)と沖縄の言葉で書かれた、「平和な世」という意味の詩でした。平和な世となり、皆の生活が良くなるようにという願いが込められていました。姪にあたる赤ちゃんの誕生に接していのちを感じるところから始まり、過去を忘れずに見つめ、未来に希望を持つという思いが語られていました。「平和な未来へ届く魂の歌」ということです。とても力強い朗読でした。ぜひ皆さんもこの詩に接してください。ここにある沖縄の思いに耳を傾けてください。