今年度中高等科では祝日行事を２１日に行いました。今年も残念ながらミサは行えませんが、各クラスにZoomで祈りを配信し、静かな時間をもって祝日を始めました。その後は７本の映画を希望によるグループに分かれて鑑賞し、クラスでも分かち合いをしました。映画は「Wonder 君は太陽」「Padman」「Funan」「グッド　ライ」「あん」「世界の果ての通学路」「奇跡の人」の７本で、それぞれSDGｓとも関連しています。付箋に各自が書いた感想を集めてブラウジングルームに掲示しています。

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　聖マグダレナ・ソフィアの祝日おめでとうございます。

　昨日の朝礼で、皆さんに聖マグダレナ・ソフィアの魂の考えについてお話ししました。魂が聖心の私たちに大切なものであることを感じてくださったと思います。聖マグダレナ・ソフィアは魂を人間の最も奥深いところにあるものと考えていました。魂はとてもとらえにくいものです。私たちは日常生活の中で、移り変わるさまざまなものにただ中で生きています。その中で、魂を目覚めさせ、魂の深みで生きることを聖マグダレナ・ソフィアは目指していました。その意味は、表面的な生き方ではなく、その場限りにうわべのことに流されてしまうのではなく、その人の奥深いところからしっかりと生きることを目指す、ということです。そして、魂に目覚め、魂を意識する生き方を聖心の生徒たちにもしてほしい、と教えたかったのです。

　「魂」については知り、自分の中で感じ取ることは、とても重要なことと改めてわかります。しかし、魂という言葉を皆さんの日常生活ではあまり意識することがないかもしれません。祝日にあたり、もう少し考えてみましょう。

　聖書の中では、魂は本当にうれしく、喜んで神さまを讃える時、そして、深い悲しみと悩みの時に出てきます。うれしい喜びの時の例は、マリア様が天使のお告げを受けた後、親戚のエリザベトに会いに行って二人が出会い、エリザベトから祝福された時です。マリアはよろこびでいっぱいになって、神さまに感謝します。その時「私の魂は主をあがめ、私の霊は救い主である神を喜び称えます」と言います。私の魂、私の霊、と言って、私の存在全体ということを表しています。これを今の私たちなら、心の底から、というのかもしれません。一方、深い悲しみや悩みの例は、罪を犯して深く悩み、神さまにゆるしを願う時のものです。これは旧約聖書の詩編に出てきます。たとえば、「私の魂は深く悲しんで涙を流しています。みことばの通り、わたしを立ち直らせてください。偽りの道から私を遠ざけ、憐れんであなたの律法をお与えください」（詩編119）と罪を悔い、神さまのもとに立ち返ろうとする魂の苦しみを表しています。心から反省する、本気で心を改める、ということでしょうか。

　今の社会では、魂の深いところからから発せられて魂に届くようなもの、それはどんなところにあるでしょうか。一つには、魂は芸術に現れます。魂が揺さぶられるような、魂のこめられた芸術作品というと皆さんにもピンとくるのではないでしょうか。一方で、現代に満ちている様々な苦しみや悲しみの中にも、魂からの叫びを聞き取ることができます。病気に苦しむ人、差別に苦しむ人、いじめに遭って苦しむ人、家族や大切な人を失った人、そのような人たちの悲しみや苦しみも魂から発せられて、受け手の魂に響きます。そして、このような人の奥深くから発せられる喜びにも苦しみにも、神さまが共にいてくださいます。私たちも魂ある者として、人の魂にも共感できるようでありたいと思います。

　今日の祝日に私たちはグループに分かれて、7本の映画を見ます。今年は選べるように工夫して、皆さんの主体性や多様性が活かされるようにしました。どの映画も見ごたえがあります。どうぞ今日は映画を楽しんでください。私も楽しみです。それぞれの映画には、皆さんに訴えかけてくるものがあるはずです。ＳＤＧｓの課題も問いかけてくるでしょう。それぞれの映画の中に魂を見つけてください。深い喜びや悲しみ、苦しみの中に、きっと魂が語りかけてくるはずです。どのようなストーリーに皆さん今日出遭うのでしょうか。皆さんの魂が魂をみつけ、汲み取ることができ、共有することができるように、そして、感想を皆で分かち合う時にも、皆さんのお互いの魂が共鳴し合うことを期待しています。魂の動きの中に希望を見つけてください。そして、前進する力、変化を生み出す力も見つけてください。

　聖マグダレナ・ソフィアは魂でイエスと共にあることで、導かれ、力を得ていました。聖マグダレナ・ソフィアも困難なことに数多く直面しましたが、どんな時も前進しようとしました。今回の祝日に皆さんに差し上げるご絵は、ローマの聖心会本部にある聖マグダレナ・ソフィアの像の写真です。手を差し伸べて一歩踏み出しています。希望をもって前進する姿です。皆さんを励まして、導いてくださるでしょう。大事にしてください。

　映画を楽しみ、よい一日としていきましょう。私たちも魂を目覚めさせましょう。そして、魂を見つけ、共感してください。