校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

5月20日 中高等科朝礼 「魂を育てる」 聖マグダレナ・ソフィアの大切にしたもの

2021.05.20

 5月25日は創立者聖マグダレナ・ソフィアの祝日です。創立者の教えを思い起こし、記念し、心新たにする日です。「魂」は創立者が大事にしたことで、聖心の教育の方針の中にも「魂を育てる」とあります。今年は21日に中高等科の祝日行事を予定しており、魂について考えることにしました。19日には本校の父親のキリスト教を学ぶ会「ヨゼフ会」から講演を依頼されて、「魂を育てる」をテーマとして話をさせていただく機会を得ました。この朝礼では、その内容を生徒向けにまとめました。

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 5月25日が近づいてきました。21日は祝日行事の日です。準備が進められていて、楽しみです。ブラウジングルームには聖マグダレナ・ソフィアの言葉も飾られています。どれも心に響く言葉です。

 児島なおみさんの描かれた聖マグダレナ・ソフィアの絵本の中にも、心に残る場面があります。皆さんはどのページが好きですか。私は聖マグダレナ・ソフィアが生徒と並んで座り、夕陽を眺めている後ろ姿の場面が好きです。そのページにはこのように書かれています。「マザーバラは 目にうつる かたちには/まどわされませんでした。/なぜなら マザーバラには 見えるのでした。/すべてのひとの なかに かがやく/とくべつな ひかりが・・・。/どんな ひとの なかにも/きえることなく かがやきつづける/神さまの すがたが・・・。/愛にあふれた マザーバラの 目には/見えるのでした。」

 マザーバラは一人ひとりの中に良いもの、その人らしい、その人ならではの良いものがあると確信して、それをしっかり見つめています。目に見えるところで失敗したり、うまく行かないことがあっても、その人の良さは変わりないと確信しています。皆さんにもそのように感じてほしいと願っていますし、それが感じられる学校生活であってほしいとも願っています。聖マグダレナ・ソフィアは人の奥深いところを見つめていました。その視点を受け継いで、聖心では「魂を育てる、知性を磨く、実行力を養う」と言っています。豊かな心もとても大切なものですが、聖心では「心」ではなく、「魂」を育てるとしています。しかし、「魂」という言葉は日頃あまり使いません。魂と心はどのように違うのでしょうか。12年生の皆さんとは宗教の時間に色々と考えてみました。「心を込める」という言い方もあれば、「魂を込める」という言い方もあって、「魂を込める」という方が迫力がありそうです。魂については、日本の伝統的な考え方とキリスト教の考え方は異なっているようです。

 聖マグダレナ・ソフィアの書いたものを読んでみると、聖マグダレナ・ソフィアが魂をとても大切なことと考えていたことがわかります。聖心の教育で一番重要なことは「魂を救うこと」とも言っています。ブラウジングルームに飾ってある言葉の一つは「心とは最良のもの。望みや愛が宿る場です。知性の中に記憶があり、記憶の中に思い出があり、心の中に愛があります」というものです。ここにあるように心には様々な働きがあります。

 整理して考えてみると、魂は人間の最も奥深いところで、神さまと親しくなれるところ、神さまに耳を傾けて、神さまに動かされていく、私の「中心」。そして心は、日常生活の上で働く内面の活動。中心にある魂がどこに向かっているかによって、全体の動きや方向が定まっていく。そのように聖マグダレナ・ソフィアは考えていたのではないでしょうか。魂がまっすぐ神さまに向かっているかどうか、その点を大事にしていたし、どの人にも神さまに親しく向かうことができる魂があることを聖マグダレナ・ソフィアは確信していました。そのような魂に一人ひとり自ら気づけるように、聖心では祈り、沈黙、静けさ、ふり返りを大切にしているのだと思います。

 聖マグダレナ・ソフィアの教えてくださる魂を、私たちも今日一日の中で気づき、みつけていきましょう。

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