校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

5月19日 初等科朝礼 5月22日は生物多様性の日

2021.05.20

 水曜日の朝礼では6年生がまず祈りを捧げます。この日の祈りは気候非常事態宣言を取り上げて、地球全体のことを考えて行動できるように祈りました。ちょうど今回の話のテーマを22日の生物多様性の日としていましたので、地球環境について祈り、考える朝となりました。

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 皆さんはミカンは好きですか?冬のミカンだけでなく、今の季節も夏ミカンや色々な新しい種類のミカンがあり、大きさや色、味が少しずつちがったおいしいミカンがあります。名前も「きよみ」や「はるみ」などかわいらしいものがあります。色々な種類が楽しめます。

 さて、一人のシスターがミカンの種を植えてみました。芽が出て、葉が大きくなってきて、いつか実がなったらと楽しみにしています。ある朝、そのミカンの葉の上に何かきれいな黄色い点々、小さな玉が散らばっています。誰か何かこぼしたのかな、何かしら、飾りかしら、お菓子かしら、それとも洗剤の粉かしらと不思議になりました。それで、良く見てみたらわかりました。それはチョウチョの卵でした。数日したら、小さな黒い幼虫になって、あっという間に、葉をどんどん食べてしまうようになりました。このままではミカンが全滅してしまいます。そこで、幼虫は捕ってしまうことにしました。これでミカンは安全です。でも・・・。

 私たちはチョウチョを見ると、「きれい」と言って喜びます。しかし、幼虫や毛虫は怖い、困ると言って、退治しようとします。考えてみれば、人間はとても自分勝手です。人間の都合で「好き」と言って大切にしたり、「嫌い」と言って大切にしなかったりします。自然の生きものから見ると、人間は迷惑な存在かもしれません。

 生きものは色々な種類がたくさん一緒に生きて、住んでいて全体を作っています。一つひとつには人間が気づかない、まだ知らない良いところや役割がきっとあるのでしょう。地球に様々な生きものがいることを表すときに「生物多様性」という言葉を使います。「生物」は生きもの、「多様」はたくさん、さまざま、色々という意味です。5月22日は世界の生物多様性の日です。地球で色々な生きものがお互いに大切にし合えるように、人間の都合だけで人間が勝手に他の生きものに害を与えたりすることがないように、みんなで考える日です。人間は残念なことに、人間の都合で自然を破壊してしまうことも多いです。そこで、生物多様性を守るために大事なことは、皆さんのような子どもたちが生物多様性のすばらしさを実感して、様々な生きものと一緒に生きていることを大切にしようと考えていくことだそうです。この学校の中だけでも色々な生きものがいます。朝ウグイスが鳴いているし、ダンゴムシも見つかるし、死んで日干しになってしまったカエルを見つけた人もいます。テントウムシでも、黒いのや赤いのや、星の数も違ったものが見つかります。

 色々な生きものを大切にして、生物多様性を守りたいと思います。しかし、実行するのは難しいこともあります。たとえば、カラスが人間の出したゴミを散らかしてしまうことがあり、そういう時は困ったものだ、何とかしなければと思ってしまいます。それでも、やはり、色々な生きものと共に生きて行くことが大切です。22日には生物多様性の日であることを考えて、色々な生きものを大切にすることを考えましょう。

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