校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

2月10日初等科朝礼 2月11日はルルドのマリアの祝日=「世界病者の日」

2021.02.11

 2月11日は日本では建国記念日ですが、カトリック教会ではルルドの聖マリアの祝日、そして「世界病者の日」です。世界全体が新型コロナウイルス感染症に苦しむいま、子どもたちと共に考えました。

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 今日も皆が元気で学校に来ていることはとてもうれしいことです。さて、病気になったらどのような気持ちになるでしょうか。考えてみましょう。お腹が痛かったり、気持ちが悪かったり、具合が悪いときは元気がなくなって、心配で心細くなってしまいます。嫌だなあ、早く元気になりたいときっと思います。そして、一人で休んでいるとさみしくなって、お母さんかどなたか家の人、誰か一緒にいてほしいと思うかもしれません。病院に行って、ドクターに診ていただいて、薬をもらうと安心します。これで大丈夫。あとは家でゆっくり休んで、お世話していただいて、だんだん元気になります。特別なお食事を作っていただいたりすると本当にうれしいものです。病気のとき、大切にしてもらうととてもうれしいものです。病気になった人は大切にされると、早く治ります。心が元気になると身体も元気になります。

 風邪など普通の病気の場合は、これで大丈夫です。もし重い病気でも、大きい病院に行ったり、入院したりして治療を受ければ、大丈夫です。でも、病気の中にはとてもむずかしいものもあります。たとえば新型コロナウイルス感染症は、新しい病気でまだわからないことも多くあります。人から人へうつる、感染するという点もとても心配です。このような病気については、「この病気は怖い」と感じます。しかし、それがいつの間にか「病気にかかった人が怖い」になってしまうことがあります。病気になってしまった人は大切にしてあげなければいけないのに、です。このようなときは、自分が病気にうつらないかという心配だけ、怖いという気持ちだけでいっぱいになってしまって、病気の人のことを忘れています。

 聖書の中のイエスの姿を見てみると、病気の人を大切にしています。熱の出た人、子ども、長い間具合の悪かった女の人、友だちが心配してイエスのところに連れて来た男の人、目の見えない人、耳の聞こえない人、手の動かない人、歩けない人、心の病気の人、たくさんの人を大切にした話があります。イエスの時代は医学の知識も薬もなく、病気が直せないことも多かったでしょう。イエスは親身になって、病気の人を心から大切にしていました。特に、人が怖がる病気、人から人へうつる病気の人も大切にしました。聖書の中には、「重い皮膚病の人」が出てきます。ハンセン病と言われ、今では治る病気ですが、イエスの時代には治す方法のない病気でしたから、この病気になった人は町の中に入れてもらえません。人にうつさないようにするためです。とても具合が悪くても、看病してもらえず、人に避けられ、嫌われていました。とても気の毒なことでした。イエスはそのような人のことも進んで大切にしました。「あなたも神さまに大切にされています。みんな神さまの子どもです」と伝え、元気な人も病気の人もみんなが兄弟姉妹として、助け合い、大切にし合うことを、まず自分で実行し、言葉でも教えました。どのような病気の人も大切に、お互いに大切にし合うことが大事なことです。このイエスの教えは、新型コロナウイルス感染症が心配な今の世の中にとても大切です。

 2月11日は建国記念の日として休日です。そして、カトリック教会では「世界病者の日」とされています。病気の人を大切にする日です。そして、ルルドのマリア様の祝日にもなっています。ルルドのマリア様について、学校の5・6年生の玄関のところにあるマリア様の像を思い出してみましょう。洞窟のような岩に囲まれてマリア様が立っています。これは150年くらい前のフランスのルルドという所であった出来事を記念しているものです。きれいな水の湧き出る泉のあるところにマリア様が現れて、病気の人を励ましてくださるという出来事だったと言われています。今でもその水を大切にして、病気の人を神さまが助けてくださるように願って祈る場所になっています。

 教皇フランシスコは今年の「世界病者の日」に向けて、メッセージを出しました。イエスに倣って、病気の人を大切にしましょう。病気の人の気持ちを大切に考えましょうと言っています。ソーシャルディスタンスを守らなければならないとしても、心は近く、何かできることをしましょう、という呼びかけです。これは日本のシトラスリボンの心にも繋がります。新型コロナウイルス感染症や病気の人を大切に、医療の仕事をしている方々のことを考えて、応援する心です。

 11日はこの意味を考えながらお休みを過ごしましょう。世界には病院にすぐに行けない国もあります。そのような国についても調べてみましょう。

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