トップページ > Spirit of "Mikokoro" > 10月8日 初等科前期終業式
初等科も前期最後の日となりました。今日は前期のまとめの日として過ごします。来週の月曜日には後期が始まりますので、すぐ次に備えますが、区切りの時は大事にしたいものです。子どもたちと共に前期の経験をふり返り、その意味を考えました。また、毎朝、児童・生徒の登校時間には登校の様子を見に行っています。今朝も子どもたちの黄色い傘が並んで続く様子を見て、小学校らしい情景と微笑ましくも感じましたが、心配になることもありました。その感想もつけ加えて、児童に注意を呼びかけました。今回も動画で各教室に配信しました。
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今年の前期はいつもの年とちがう始まりでした。この特別な前期も今日で終わります。
今日は雨が降って、少し寒い朝になりました。急に秋が深まったと感じます。初等科の皆さんは少し冷たい雨の中、黄色い傘をさして、学校に登校してきました。元気な姿を見てうれしく思いましたが、皆さんの様子を見ていて気がついたことを、まず、今日の終業式の話のつけ足しとして、最初に話します。
皆さんが朝学校に来る時間に、だいたい毎日正門から目黒通りまで皆さんの様子を見に行っています。とても幸いなことに、これまで聖心の児童・生徒が交通事故に遭ったことはありません。そのことを感謝しています。しかし、毎朝のように心配だ!と感じることはあります。お友だちと一緒にいるのがうれしいのでしょうか、車に良く注意しないで、急に歩行者のための白い線を越えて走ったり、人を追い越していったりする方がいます。急に道の真ん中へ広がっていく姿が見えると、とても心配になります。朝はできれば素敵なスマイルで皆さんに「おはようございます」と言いたいですが、つい怖い顔で「気をつけましょう」言わなければならなくなります。道を歩いている大人の人がいるときは、ご迷惑になっていないかどうかも心配になります。雨の日で傘をさしているときは、余計に心配です。安全に、周りの方のことも考えながら歩いてほしいと毎朝感じています。これが今日のつけ足しです。
では、これから終業式のお話に入ります。新型コロナウィルスのために特別なものとなった今年度の前期に、最初に学校に来たのは、6月に入ってからでした。それから夏休みまで、1日にクラスの半分ずつだけ学校に来ました。毎日、全員で勉強できるようになったのは、夏休みが終わってからです。色々な新しいことがありました。困ったことや、残念なこともたくさんありました。うれしかったことや、よかったこともたくさんありました。全部、皆とてもよくやったと思います。今年の学校目標の「希望の作り手になる」ということを心に進んできました。どんな希望を作ることができましたか?誰かの希望になることができましたか?
一番心に残っていることは何でしょう。忘れたくないことは何でしょう。皆さん一人ひとり違うと思います。ですから、自分で感じていること大事にしてください。本当に特別な経験をしました。
新型コロナウイルスを世界全体で経験したということはとても大事なことです。私たちは世界の一員として、世界の皆と一緒にこの春の特別な毎日を過ごしました。昨日の朝礼で、アフリカのコンゴの女の子の話をしました。コンゴはとても遠い国です。でも、日本の私たちと同じようなことを経験していました。もちろん、細かい具体的なことは違います。それでも、学校が長い間お休みになってしまったこと。学校に半分ずつのお友だちしか来られなかったこと。いつでもマスクをしたり、手を洗ったり、ソーシャルディスタンスをとったりすること、このようなことは同じでした。世界の一員として、世界全体で新型コロナウイルスに気をつけて生活しています。これは世界の一員の体験です。新型コロナウイルスは世界全体で気をつけないと良くならない問題で、私たち一人ひとりが協力することに意味があります。
もう一つ大事なことは、学校がとても大切だということがわかったことです。6月に学校が始まって、学校に来ることができたとき、皆さんはどんな気持ちでしたか?少し心配もあったかもしれません。しかし、お友だちや先生に会える、みんなで勉強できることはとてもうれしかったと思います。私も、皆さんが初めて学校に来た日は、皆さんの姿を見て涙が出てきそうになるほどうれしかったです。
学校には、これまで毎日来るのが当たり前でしたが、毎日学校に来ることができるのは本当にうれしいことで、大切にしなければならないことだとわかりました。勉強だけなら家で、自分一人でもできるかもしれません。しかし、それはやっぱりむずかしい。お友だちと一緒に学校で時間を過ごしながら、話し合ったり、考えを出し合ったり、助けられたり、助けたりしながら学んだり、生活したりするところに、学校に来る意味があります。皆さんもそれに気づいたと思います。前より学校が好きになったと思いませんか?
先週の金曜日にはピクニックデーを過ごして、皆さんはとても楽しそうでした。元気な声が聞こえて、皆さんの笑顔がたくさん見られました。遠くに出かけることはできませんでしたが、皆で楽しむことができて本当に良かったと思います。皆で楽しむことも、学校でできる大事なことです。
いつもの年なら、前期の終わりには通知表をいただきます。しかし、今年は夏休み前まで学校で勉強できない日も多くありました。皆さんはそれぞれに家でも、学校でもがんばって勉強したと思いますが、いつもの年の学校での勉強とは違う姿になりました。それを考えて、今回は前期は通知表をお渡ししないことにしました。皆さんは自分の学習のふり返りはしっかりしたと思います。一人ひとり担任の先生とお話しして、前期のまとめをしてください。先生たちは皆さんが後期も頑張れるように考えてお話ししてくださいます。しっかりお話を聞いてください。
前期と後期の間は短い期間しかありませんが、来週、後期が始まるときには、新しい気持ちで始めたいと思います。前期の学校生活を神さまに感謝して、後期にがんばる力をいただいてください。新型コロナウイルスがあっても、学校生活ができたこと、みんなで感謝して前期を終わりましょう。そして、いつも「希望の作り手」になることを忘れずにいましょう。
聖心女子学院のスピリットを児童・生徒の日々のエピソードからお伝えします。
Sr. 大山 江理子