校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

9月25日 中・高等科前期終業式

2020.09.25

 前期の終わりを迎えました。やっと学校生活が軌道に乗ってきたと感じながらの終業式です。今回も各教室への動画配信で行いました。これまでに経験した特別な日々をふり返り、忘れたくない大事なことをしっかりつかんでおくことが、今求められていることと考えました。上の画像は、話の中で言及したWWFジャパンのロゴマークです。

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 前期の終わりを迎えました。4月からをふり返えると、色々な体験をした特別な前期でした。夏休みを終えてから今日まで、初等科生も一緒に、全校で学校生活を続けてこられたことは、以前なら当たり前のことだったかもしれませんが、今はとてもありがたいことと感じられます。皆さんが感染防止に気をつけてきたことの成果と考えたいと思います。

 活動に制限があって、不自由な思いをしているところもあると思いますが、今できることに一生懸命に取り組むということはとても大事なことです。そこから新しいものが生まれます。

 前期のしめくくりにあたり、4月からの日々をふり返ってみましょう。大事なことは何でしたか?色々な場面が思い出されると思います。忘れたくないと思っていることはありますか?今年は、4月の始業日はオンラインでした。そこから始まって、色々なことがありました。忘れたくないことは何ですか。私には、4月・5月の時期の深い不安、そしてその時期をやっと通り越して、皆さんが6月に学校に初めて登校してきた日の大きな喜び、これらは忘れられないことの一つです。

 今少しずつ、日本では生活が元の状況に戻ろうとしているかのようです。緊急事態宣言が出されていた日々は遠い過去のようにも思えます。そのように思える今を迎えていることに感謝しながら、そのような今だからこそ、私たちが通り越してきたこれまでの日々の中で、忘れたくないことをしっかりつかんでおきたいと思います。

 忘れたくないことがありますか?それは何ですか?私たちはとても重要な経験をしました。普通でない状況の中で、多くのことを感じました。そこには意味があるはずです。忘れたくないと感じることの中に、皆さんが大事にしたいと思っていることがきっと重なっていると思います。あの経験は何だったのだろう?もし、今も疑問に思っていることがあったらそれも大事にしておいてください。いつか答えが見つかるときが来るでしょう。忘れたくないことは何ですか?

 私たちは今も新しい状況の中を進んでいて、今でも、今日のこの集会が動画配信であることは、学校として皆で新しい状況を切り拓いていることです。皆さんはどうぞその意識を持ってください。

 新しい状況を生きている変化の一つをあげてみましょう。今年は移動が制限されています。旅ができません。グローバルな活動も非常に制限されています。しかし、オンライン上で世界は近くなりました。色々なイベントがオンライン開催となり、世界の人々の考えに自分の家や場所から接することができます。私は国連のSDGsアクションのフォーラムをオンラインで視聴して、世界の色々な場で活動している人々の声を聴くことができました。

 世界は動いています。アメリカの「Time」という雑誌は「世界で最も影響力のある100人」を毎年発表しています。今年の発表がつい先日ありました。その100人の中に日本人が二人入っていたことを知っていますか?二人とも女性です。一人はテニスプレーヤーの大阪なおみ。彼女はマスクで黒人問題に関する抗議を発信していました。そして、もう一人は伊藤詩織というジャーナリストです。二人とも勇気をもって、自分の考え、意見を発信した人たちとして評価されました。日本のこれら二人の女性が注目されたのはうれしいことだと思います。

 そして、9月25日は何の日だか知っていますか?Global Day of Climate Action です。昨年はグレタ・トゥーンベリのリーダーシップで気候変動に抗議するマーチや集会がたくさん行われました。今年は集会ができない状況ですが、色々なところで活動がなされています。WWFジャパンという自然保護の団体がありますが、9月25日にオンラインイベントが企画されていますので、お知らせします。「未来の人道危機を抑えるために 今、私たちにできること」というタイトルです。気候温暖化によって、脅かされるのは地球の環境だけではなく、人々の生活も含まれます。そのような大きな視点で考えるイベントです。中高生が質問すると、優先的に答えてもらえるそうです。

 「今、わたしたちにできること」これはとても大事な発想です。私たちの学校は、今、わたしたちにできることとして、今年の6月から学校で利用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えています。みんな電力という会社です。眼に見える変化ではありませんが、学校もできることに努力していることを覚えておいてください。今、ちょうど国連の会議で気候変動やエネルギー問題が話し合われ、日本はさらに脱炭素化を進めるように批判されています。新聞では今年の前半は再生エネルギーの比率が政府の目標値以上に達したという報道もありましたが、それでも世界的にはまだ不足と指摘されています。そのような世界の動きの中で、私たちは日本に住んでいます。皆さんは自分として、地球上のどのような一員として進んでいきたいですか?9月25日がGlobal Day of Climate Actionであることを意識して過ごしてください。今、できることに一生懸命でありたいと思います。

 2日間の期末試験の返却日を過ごしました。今年は中間試験のない学年もあり、例年と異なる学習の歩みだったと思います。しかし、今の自分の状況をしっかりと冷静に受け止めて、自分の力を伸ばしていくためにはどうしたら良いか考えてみてください。今、できることに一生懸命になるとしたら、どのように行動しますか?後期に向けて自分の気持ちを整理して、やるべきこと、やりたいことを明確にしてください。

 私たちはコロナウイルス感染防止に気を配りながら、今日まで学校生活を続けてくることができました。これからも感染防止はとても重要です。学校が継続できるためには、皆さんがこれからも自分の行動に注意することが求められます。自分の身を守ることは、ご家族を守ること、友だちを守ること、学校生活を守ることと繋がっています。色々な場で規制が緩和されて、以前と同じような形の活動の仕方に戻っていくかのようですが、皆さんは慎重であってほしいと思います。皆で感染防止の努力を続けましょう。世界の中には、今も非常に心配な状況にある地域もあります。それも忘れないでください。

 今回の聖書朗読では、イザヤ書の55章8節から11節が読まれました。神様の言葉には力があって、神様の望みや思いをかなえます。神様の望まれることは人間の幸せです。神様はいつも私たちを見守ってくださり、たとえ、うまくいかないこと、思いがけない苦しいことがあっても、それを通しても何か良いこと、良いものへと私たちを導いてくださいます。そのことを「わたしの口から出るわたしの言葉も むなしくは、私のもとに戻らない。それはわたしの望むことを成し遂げ わたしが与えた使命を必ず果たす」と表しています。とても力強い、希望の言葉です。神様の力強い言葉が私たちと共にいてくださることを心に留めて、進んでいきましょう。

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