校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

9月23日 初等科朝礼 27日は「世界難民移住移動者の日」

2020.09.24

 教皇フランシスコは世界の難民・移住者の問題に深い関心をもたれ、憂慮されています。9月27日の「世界難民移住移動者の日」に向けて全世界にメッセージを発信されています。この日を前に、子どもたちと共に世界に目を向けました。上はコンゴ民主共和国の国旗です。

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 19日から23日までの4日間のお休みの間、敬老の日には高齢の方々から何かお話を聞くことができたでしょうか。4日間もお休みがあると、少し遠くへ旅行することもできます。しかし、今年は残念ながら行きませんと考えた人も多いでしょう。それは正しい判断です。新型コロナウイルスが心配な今年はがまんが大事です。

 旅行のときは、どこへ行くかと計画することが楽しみです。美しい風景や、歴史的な場所、会いたい人、見たいものなど、色々なことを旅行に出る前に調べて考えます。しかし、何の計画もなく、急に、無理矢理しなくてはならない旅もあります。避難がその一つです。台風や大雨、地震などの時に避難します。とにかく危険から身を守るために急いで行動します。避難は、安全第一で、心配で恐ろしく、本当に大変な旅です。日本での避難は災害の時のことですが、世界には、紛争などの危険から逃げなくてはならない人々がいます。それは難民と呼ばれます。

 旅に行かれないこの4日間に、録画しておいたテレビ番組を見て世界のことを知りました。聖心の姉妹校があるアフリカのコンゴ民主共和国に、デニ・ムクウェゲという病院のドクターがいます。コンゴの東部で活動しています。聖心会は東部にはないかもしれません。この方の病院では、病気を治すだけではなく、女の人と子どもを助ける活動をしています。その活動によって2018年にノーベル平和賞を受賞されています。

 コンゴでは武力による紛争が解決していません。女の人と女の子たちはとても厳しい状況におかれています。多くの女の人たちが暴力の犠牲になっています。そのためにデニ・ムクウェゲは闘ってきました。今、コンゴでどのようなことが起こっているのでしょうか。テレビ番組の中でインタビューに答えていました。コンゴでも新型コロナウィルス感染症が流行しています。人々の活動が制限され、移動することができません。コンゴは資源の豊かな国で、特に「タンタル」というレアメタルが採れます。タンタルはスマートフォンなどの小さなコンピューター機器に欠かせない金属なので、世界中がそれを必要としています。コンゴはタンタルを世界に売ることによってお金を得ていました。しかし、新型コロナウィルス感染症流行のために、海外との取引をすることができなくなり、コンゴの経済は打撃を受けています。

 タンタルは山の土を掘ってみつけます。多くの人が危険な中で働いています。しかし、その仕事も今はありません。その結果、武器をもった人たちが食料を奪うために農村を襲い、多くの農民たちが家を焼かれたり、命を奪われたり、危険な目に遭い、難民として隣の国に逃げていこうとしているそうです。しかし、新型コロナウィルス感染症のために行動が制限されて、道路が通れなくなっていたり、隣の国まで行っても入国させてもらえなかったりと、大変なことになっているということです。女の人や子どもたち、高齢の人たちが犠牲になっています。デニ・ムクウェゲはこの事実を話し、皆が協力して活動することが大事だと言っていました。

 9月27日日曜日は「世界難民移住移動者の日」です。教皇フランシスコは、難民や家を離れて移住しなければならなくなった人々のためにメッセージを出しています。世界には、自分の家を失い、家を離れなければならなくなっている多くの人がいることを「知る」ことがまず大事なこととしています。そして、その人たちの状況について、「想像力」を働かせることも大事です。そして、自分のできることをみつけて行動することです。27日には、世界で難民となっている人々のことを思いながら過ごしましょう。

 

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