校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

9月20日初等科朝礼 160年たっても、220年たっても変わらないもの

2023.09.20

 今回の初等科朝礼では、中高等科ではすでに紹介した「聖心の教育」の小冊子から、「聖心は一つの家庭」というメッセージについて話しました。上の画像は4年生の廊下に飾られている夏休みの作品の一部です。

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 聖マグダレナ・ソフィアが聖心の最初の学校を創立したのは、1801年のことで、それから220年以上立ちました。220年間はとても長い期間で、その間には世の中も、世界も大きく変化しました。でも、その長い間にも、変わらなかったものもありました。

 聖心が創立されてから、160年たったとき、変わらない大事なものは何だろう、と世界の聖心で確認することになりました。それで、その時に考えた、聖心で変わらない大事なものを「聖心の教育」という小さな本に書きました。

 その本の最初には、「聖心は一つの家庭です」と書いてあります。これは皆さんも大切にしたいことでしょう。そして、この学校には、ご両親や家の方が皆さんのために良い学校だと選んでくださって入学することになったけれど、イエス様と神さまがまず皆さんのことをこの学校に招いてくださったのです、ということも書いてあります。このことは皆さんに入学式で私もお話ししていることです。

 家庭や家族、家には色々な人がいます。代表となる人、リーダーも必要です。この「聖心の教育」という本には、家の長はイエスです、と書いてあります。そして、家には家族の世話をする人も必要です。お母さんのような人のことです。それは、まず、マリア様のことで、特に「感ずべき御母」、そして、聖マグダレナ・ソフィア、それからシスターたち、と書いてありましたが、それだけではありません。先生や色々な方がいらっしゃいます。

 そして、生徒一人ひとりは家族のメンバーとして、協力することが大切とも書いてあります。自分の役割を果たすことです。係や日直の仕事など、皆さんにも役割があるでしょう。

 一つの家庭ということは、とても大事なことです。ぜひそうなりたいです。しかし、家庭や家族はいつもうまくいっているとは限りません。うまくいっていないこともあるのが現実です。むずかしさがあります。だから、聖心では大切にしたいと考えたのでしょう。皆で努力していきたい、聖マグダレナ・ソフィアの理想でした。これは160年たったときにも変わらない大事なことだったし、220年以上たった今でも大切にしたいことです。

 220年というのはとても長い時間です。長い間ずっと大切にしてきて、よりよくなるように磨いてきたものを「伝統」と呼びます。この「聖心は一つの家庭」という伝統を皆さんも続けたいですか?きっと「はい」だと思います。皆で努力していきたいものです。

 わがままになったり、自分ことだけ考えてしまう人にならないで、周りに人のこと、皆のことを考えられる人になりましょう。まず、気がつけることになることから始まります。自分の気持ちに気がつくこと、友だちの気持ちに気がつくこと、もっとたくさんの人の気持ちに気がつけるようになることです。

 今朝、一つのできごとがありました。目黒通りから学校までの道でのことです。3人くらいで道に広がって歩いていた方たちがいました。そして、向かい側から歩いてきた女の方とぶつかってしまいました。でも、その時に謝ることができませんでした。謝れなかったのはとてもいけないことです。それで、ちょうど通りかかった私に注意されました。ところが、少し後ろを歩いていた上級生が、その方がぶつかった時に落とされた日傘に気づいて、拾って走っていってお渡ししました。お渡しできて良かったと感じました。ぶつかられて怒っていらしたかもしれません。でも、聖心には良い子どももいるとわかってくださったらうれしいことです。

 今年の学校の目標は「私から私たちへ」です。今日のようにして、「私」のことから、「私たち」のこと、そしてもっと広い「私たち」に向かって広がっていけたらよいでしょう。そして、私たちの現実は、良い所もあれば、まだまだの所もあるということです。私たちは協力して、一つの家庭になっていきましょう。

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