校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

3月1日初等科朝礼  国立ハンセン病資料館の見学に行って

2023.03.04

 2月22日に12年生の生徒たちと一緒に東村山にある国立ハンセン病資料館の見学に行きました。そのために22日の初等科朝礼は録画した動画にしましたので、今回は初等科生にその見学について話をしました。上の画像は国立ハンセン病資料館のWebページのものです。

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 12年生の生徒たちと一緒に国立ハンセン病資料館の見学に行きました。資料館には池袋から西武池袋線に乗って、清瀬駅からバスに乗るか、秋津駅から歩くか、どちらかで行くことができます。国立ハンセン病資料館には、ハンセン病という病気について、歴史や問題点など色々なことがわかる展示があります。

 ハンセン病は今では良い薬があり、治る病気です。日本では、もうこの病気になる人はいません。しかし、70年くらい前までは良い薬がなかったので、感染が広がるとても怖い病気と思われていました。怖い病気と思う、という「思い込み」で日本全体が怖がりすぎてしまっていたかもしれません。病気にかかった人を避けたり、怖がったりして大切にすることができませんでした。それはとても残念なことでした。そして、この病気は治っても、身体の動きが不自由になったり、手や足が変形したり、目に見えるところに後遺症が残ることがあり、それが人に怖がられる原因ともなっていました。病気が治ってからも苦しい立場におかれることがあり、それは差別の問題につながることになりました。

 ハンセン病はとても古くからある病気です。聖書にも重い皮膚病という病気が出てきます。ハンセン病によく似た病気のようですが、全く同じ病気ではないようです。聖書にも、この病気に対しての決まりごとが書いてあります。感染が広がらないようにするためだったのでしょう。しかし、差別につながることがありました。しかし、イエスは重い皮膚病の人を治し、その人が元気になるだけでなく、また周りの人と一緒に生活できるようにしています。

 ハンセン病は病気として大変なだけでなく、周りの人の考え方によって苦労させられるものがありました。大変な病気になってしまった人は大切にしなければなりません。それなのに、感染が怖いからと避けてしまうということは差別です。後遺症のために病気が治っても、差別の問題が残りました。病気が治った方やそのご家族はとても大変な思いをされています。

 資料館ではこの病気のことを正しく知ることができます。どれほど大変だったか、大変な思いをしながらどのように一所懸命に生きてこられたか、など色々なことを知ることができます。12年生と一緒に、差別ではなく、共に生きることが大切であることを学びました。「私から私たちへ」が大事であることもわかりました。

 今回の見学では、お二人の病気から回復された方にもお会いすることができました。90歳ほどのおばあ様方です。とても生き生きされていました。やりたいことは何でもやります、とおっしゃっていて、後遺症のために手が不自由でも、ジグソーパズルを楽しんでいます、というお話でした。手に補助のための道具を着けていただいて、パズルを扱うのだそうです。人間らしく生きることが大切と教えていただきました。お会いすることができてとても良かったと思いました。

 皆さんもいつかこの資料館に行って、ハンセン病について学んでください。

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