校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

2月8日初等科朝礼  ほんものの強さとは  

2023.02.08

 車椅子テニスの世界ランキング1位の国枝慎吾選手が引退されることになり、その引退会見の様子を視聴する機会がありました。その中で、強い心や自分の弱さについて語られたことから、ほんものの強さについて子どもたちと共に考えました。

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 国枝慎吾さんを知っていますか?アスリートで世界チャンピオンです。何の種目でしょうか。車椅子テニスです。車椅子ですから、身体に障害がある人のためのパラスポーツです。

 車椅子テニスの試合をテレビなどで見たことがありますか。国枝選手の試合はとてもカッコよいです。車椅子で走って、すごいスピードでボールに向かっていったり、追いかけたり、ラケットでボールを打ち返す腕の力もとてもパワフルです。強くて正確なショットを打つ、すばらしいボールさばきです。すばやさや力強さにいつも驚かされました。

 国枝選手は子どもの時の病気のために足に障害があり、車椅子での生活をしています。歩いたり、スポーツすることはできません。車椅子テニスに出会い、ずっと続けてきました。3回のオリンピックで金メダルを取っています。3回ですから12年間オリンピックチャンピオンです。ずっと長い間世界1位でしたが、今回、試合の選手としては引退することになりました。もう十分にやった、という気持ちということです。

 引退の会見があり、インタビューの様子をテレビで見ました。その中でこんなことを話していました。自分は心の強い人ではない。心の弱さがあるので、強い心の人になりたいと思っていたけれど、そうはならなかった、心は強くならなかった、と言っていました。これを聞いて、どのようなことかしらと思いました。チャンピオンなのだから、強い人なのではないか。大変なトレーニングをずっと続けたり、たくさんの試合にも勝ったり、そのようなことは心も強くないとできないことなのではないか。心は強くならなかったとは、どのようなことなのだろう。話を聞きながら、このようなことを考えていました。

 さて、国枝選手はこのようにも言っていました。自分には弱さがある、弱い自分を感じた時もある。でも、そのような時には、切り替えて、先に進もうとすることはできるようになった。

 試合に負けたり、残念に思ったりすることは、国枝選手にもあったのでしょう。そんなことを思わないような、強い心の持ち主にはならなかったということです。しかし、切り替えのできる人になりました。

 この話を聞いて、弱さがなくなることが強くなることではないとわかりました。弱さのある自分を受けとめて、どうするかということが大事なことです。気持ちを切り替えて、また前に進んでいくことが、本当の強さなのではないでしょうか。

 国枝選手はとてもいきいきした方です。弱さのある自分を受けとめて、切り替えていくから、いきいきとしているのではないでしょうか。わたしたちもそのような強さのある人になりたいです。

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