トップページ > Spirit of "Mikokoro" > 9月2日初等科朝礼 おいしい果物を虫も動物も待っている!皆が地球の一員
初等科の生活も2週目に入り、少しずつペースがつかめるようになって来ました。学校生活が続けられることを感謝しています。
日本のカトリック教会は、9月1日から10月4日を「すべてのいのちを守る月間」として、教皇フランシスコにより5年前に出版された環境問題に関する著作「ラウダート・シ」の意向に合わせて、祈り、活動するよう呼びかけています。学校敷地内にある修道院の庭の桃の話から、地球のいのちの一員ということを児童と共に考えました。
この話をした後に児童たちが、修道院の庭はどこですか?と尋ねてきました。桃の実を見てみたかったのでしょう。修道院の庭は敷地の奥にあって、児童だけでは行かれません。残念ながら、児童たちは実を拾って食べてみることはできません。
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皆さんは桃は好きですか?今は桃の季節です。大きくて立派な、おいしそうな桃がお店にならんでいます。修道院の庭にも桃の木があります。春にはピンク色の花がたくさん咲き、大変美しいです。その木に実がたくさんつきました。花が美しいだけかと思っていたら、実もなったので驚きました。
夏を過ぎて、だんだん実の色も少し赤くなってきて、熟してきたように見えます。しかし、とても小さい実で、卵よりも小さく、ピンポンの球くらいの大きさしかありません。食べられるのかなあ、と思っていたら、熟したものが地面に落ちてくるようになりました。落ちたときに潰れたり、あまりきれいでないものもあります。しかし、あるとき、とてもきれいで、おいしそうな実が落ちていて、食べられそうと感じましたので、一つ拾って持ち帰り、こわごわ食べてみました。すると、桃の味がちゃんとしました。おいしい味で、小さくても食べられるということがわかりました。
また落ちているのをみつけたので拾いました。落ちたものは潰れてしまうし、外側がきれいでも、中はくさっていることもあるので、農家の方がきれいな、大きな桃を育てるのは本当に大変なことだとわかりました。ていねいに世話をしなければなりません。外側がとてもきれいなので、おいしいそうと思って2つに割ってみると、中に小さな虫がいて、びっくりさせられることもありました。気がつかないで食べてしまったら大変です。虫がいるのは嫌だなあ、怖いとも思いました。そう言えば、しかし、小さなアリがいたり、鳥がつついたような穴が空いていて捨てたものもありました。ハクビシンが食べたのでしょうか、タネだけが落ちていることもありました。桃がおいしくなるのを虫や動物も待っていたのです!
桃を待っていたのは、人間だけではありません。庭は皆のもので、自然の実りは、虫も動物も人間も、皆のものです。人間も多くの生きものと一緒に皆で生きている。私もたくさんのいのちのうちの一つ、このことがわかりました。
カトリック教会は9月1日から10月4日を「すべてのいのちを守るための月間」としています。教皇フランシスコが地球環境について考える本「ラウダート・シ」を書かれてから5年たつので、この1ヶ月を今年は特にその記念として過ごすことにしています。教皇フランシスコは地球を「皆の家」と呼んで、人間だけでなくすべての生きもの、すべてのいのち、皆が大切にされなければならないとしています。10月4日は教皇フランシスコの名前の聖人、アッシジの聖フランシスコの祝日です。この聖人についてはまた別の機会にお話しすることにして、今回は日本のカトリック教会が今月、皆で祈るように呼びかけている祈りを紹介します。
すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈り
宇宙万物の造り主である神よ、
あなたはお造りになったすべてのものをご自分の優しさで包んでくださいます。
わたしたちが傷つけてしまった地球と、
この世界で見捨てられ、忘れ去られた人々の叫びに気づくことができるよう、
一人ひとりの心を照らしてください。
無関心を遠ざけ、貧しい人や弱い人を支え、ともに暮らす家である地球を大切にできるよう、
わたしたちの役割を示してください。
すべてのいのちを守るため、よりよい未来をひらくために、
聖霊の力と光で私たちをとらえ、あなたの愛の道具として遣わしてください。
すべての被造物とともにあなたを賛美することができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
2020年5月8日 日本カトリック司教協議会認可