校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

7月22日初等科朝礼 お姫様は自分でやりたい:学ぶことの意味

2020.07.22

 水曜日は初等科の朝礼の日です。今日も動画で各クラスに話しました。分散登校のため、クラスの半分だけの児童が登校しています。今週から中高等科は全学年毎日の登校となりましたが、朝礼は各クラスで行っています。呼びかける機会がまだないのは残念です。

 ~~***~~

 一日おきですが、学校に登校して、先生や友だちと一緒に勉強しています。新しいことをやってみて、わかったり、自分でできるようになったりするのは、とてもうれしいことです。

 日本の1000年くらい前のことが書かれた物語を読みました。その中にはお姫様が出てきます。お姫様と言っても日本の物語なので、ディズニーのプリンセスとは違います。

 日本のお姫様は家族に大切にされて育てられ、素敵な着物を着て、美しい生活をしています。お琴などの音楽も楽しみながら、家で生活しています。二人のお姫様がいました。

 一人目のお姫様は馬に乗ってみたいと思っていました。馬に乗って家から外に出て、色々なものを見てみたい。家の庭から遠くに見えるところに、自分で行って見てみたい、そう思っていました。誰かのお話を聞くだけではつまらない、自分で行ってみたいと思っていました。しかし、お父さんやお兄さんが許してくれません。お姫様はそんなことをしないでよいと言われてしまいます。

 もう一人にのお姫様は幸いなことに旅をすることができました。家の外に出て、初めて色々なものを見ました。町や畑、田んぼ。そしてそこで働く人の姿を見ました。色々な物や野菜、お米が作られる様子を初めて見ました。それまでは、家でいつも人が用意してくれた、できたものばかり目にしていたので、とても驚きました。働く人の姿を見て、こうやって作るのかととても驚きました。特に驚いたのは布でした。織物を織るところを初めて見ました。まず、糸を取ります。茎の長い植物を取ってきて、茎から糸を取り出します。ハスのような植物から糸を取ることもありました。1本ずつの糸は短いので、結んで、つなぎ合わせて長い糸に作ります。そして、それから機織りで布に織ります。初めは見ていましたが、少しずつやらせてもらうことになりました。糸を作る時には切れてしまったり、織るときにもうまくいかなかったり、難しく、なかなか大変でした。しかし、教えてもらいながら、自分でやっていると、だんだんできるようになり、とてもうれしくなりました。自分でこうやってみたいと思うようにもなりました。布が織りあがると、それを断って、縫い、着物にしました。そして、その着物に絵を描くこともしました。周りの人がみな驚いて感心するようなとてもすばらしいものができあがりました。しかし、このお姫様のすばらしいところは、この着物を人にあげることにしたことです。着るものがない人にやっと出来上がった着物をあげました。それはとてもうれしく、やりがいを感じることでした。

 このお姫さまは家にいるときは、色々な人のお世話になって、何もかも人にやってもらうだけでした。しかし、自分で着物を仕上げて人にあげたとき、人のために働く人になりました。それは本当にうれしいことでしたし、それでほんものの喜びや幸せを感じることができました。

 学校で色々なことを学ぶとき、自分でやってみる力を身に着けます。答えを教えてもらってしまうと、その時はわかってよいですが、次の時に自分でできないかもしれません。自分でできるということは、やり方を身に着けることで、いつもできるということです。似ていて、少しちがうことも、やり方がわかっていれば自分でできます。新しいことでも、自分でできます。自分でできるということはとても大切なことですし、うれしいことです。

 学校では、新しいことのやり方をたくさん学びます。家にいる日はふりかえりをして、それをしっかり身に着けます。そうやって、自分でできるようにやり方を身に着けます。夏休み前に学校に来る日は数少なくなりました。学校で学ぶ今日も一日を大切に、色々なことを学びましょう。

 

 

このページのトップへ
このページのトップへ