校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

5月28日 おもしろい本を読みましょう(67)リンドグレーン「やかまし村の子どもたち」

2020.05.28

 今日の本はファーストステージの皆さんに向けて紹介します。昨日の中村桂子さんの本の中でも紹介されていたものです。主人公リーサは8歳のおんなの子で、お兄さんが二人います。お兄さんたちがすぐからかうので困ることもありますが、仲の良いおんなの子のお友だちがすぐお隣に住んでいるので大丈夫です。

 それにしても「やかまし村」とは変な名前です。とても小さな村で、家は3軒しかないそうです。そして、3軒の家にそれぞれ子どもがいて、全部で6人です。男の子とおんなの子とそれぞれ3人ずつです。そして「やかまし村」はどうやら農家の村のようです。国はリンドグレーンの住んでいたスウェーデンで、時代は少し昔。車やトラックではなく、馬を使っているようです。でも、懐中電灯はあるので、電気は使えます。毎日子どもたちはとても楽しく遊んでいます。特にすてきなことは、リーサは8歳の誕生日にとてもうらやましいプレゼントをもらったことです。何だと思いますか。それは自分の部屋です。お父さんとお母さんがいつの間にか、家の一部屋を改装して、家具も用意してくれました。昔の農家だから、家具やカーテンはお父さん、お母さんの手作りです。お兄さんたちと別の部屋になって、リーサはうれしくて仕方ありません。窓からお隣のおんなの子たちの部屋が見えるので、合図もできるのです。それから夏休みがきて、毎日毎日子どもたちは新しい遊びを考え出して、遊びます。一体どんな遊びだったのでしょう。

 学校に行く話もおもしろいです。とても遠いらしい。でも歩いていきます。スウェーデンは北の方の国ですから、秋から冬になっていくと、夕方は早く暗くなります。だから、帰り道はもう真っ暗になってしまいます。田舎だから森を歩いていくのでしょう。6人一緒でないとこわくて歩けません。学校の先生が病気になって、看病したりお手伝いしたりした日もありました。それから、冬休みの前には大雪が降って大変なことになりました。遊びだけでなく、リーサはこういう冒険も経験したのです。

 お父さんやお母さんや先生が子どもたちを叱ったりしないのも、この本のすてきなところです。こんなお友だちがいて、こんな夏休みだったら、ほんとうに楽しいのに!リーサのところに行きたいな、そう思いたくなる本です。この本も続きが2冊あります。続きもきっと読みたくなります。挿し絵もかわいいです。

リンドグレーン作 大塚勇三訳 「やかまし村の子どもたち」 岩波書店  岩波少年文庫

このページのトップへ
このページのトップへ