校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

聖フィリピン・デュシェーンの祝日

2017.11.18

11月18日は聖心会の2人目の聖人、聖フィリピン・デュシェーンの祝日です。それに先立って、16日にはサードステージで、17日にはセカンドステージで祝日の祈りを行いました。ファーストステージの児童に向けては15日の朝礼の話で取り上げました。

聖フィリピン・デュシェーンは1818年フランスから北アメリカに渡り、聖心会と聖心学院をアメリカ大陸に広める礎となり、祈りによってイエスのみこころをアメリカ先住民の人々に伝えました。創立者聖マグダレナ・ソフィアに熱意を込めて派遣を願い続け、念願かなっての出立でした。来年は、それから数えて200年目にあたり、聖心会アメリカ管区をはじめ、全世界の聖心でこの1年間を記念の年として祝うこととしています。聖心会総長シスタードーソンも先週の本校訪問の時に、聖フィリピン・デュシェーンについて話してくださいました。児童・生徒と共にそのお話を思い出してながら、聖フィリピンについて考え、祈りました。

シスタードーソンは聖フィリピンの勇気と惜しみない心について話してくださいました。勇気と言っても、いろいろな面があります。まず、偉大なことをする勇気というものを思いつくかもしれません。聖心の児童・生徒には将来何か大きなことをする勇気ある女性になってほしいと願っています。聖フィリピンがアメリカに旅立つということは勇気ある行動でした。そして、聖フィリピンの勇気からは、さらに次の4つのことを学ぶことができるでしょう。

1つ目は、新しいことに挑戦し、一歩を踏み出す勇気です。未知のことを始めるときには、勇気が必要です。聖フィリピンのアメリカという新しい国での、新しい生活への出発は、勇気ある決断でした。

2つ目は、やり始めたことに困難が生じたときにも、あきらめず、やり続ける勇気です。聖フィリピンはアメリカでの生活で、多くの困難なことに出会いました。しかし、あきらめることなく、その時にできることを実行しました。困難に出会ってもくじけない、貫く勇気を聖フィリピンは持っていました。

3つ目は、周りに流されない勇気です。聖フィリピンは自分の考えをしっかり持っていました。私たちは周りの人の意見に動かされてしまうことがあります。周りに流されて、自分の本心によるものではない行動をしてしまうことがないように、聖フィリピンの勇気に倣いたいものです。

4つ目は、一人でも、やるべき時は行動できる勇気です。大切である、重要であると感じることは、たとえ自分一人であっても行動できる勇気の大切さを聖フィリピンから学ぶことができます。

サードステージの生徒には、特に、日常生活の中での小さな勇気を大切にしてほしいと思います。勇気というと、大きな行動に伴うものとして、自分とは遠いものと考えてしまうこともあります。しかし、日常生活の中での小さなことがらにおける勇気こそが求められているものです。日々の生活での、一つひとつの判断と行動の積み重ねが私たちを作っていきます。勇気を自分のものとして、小さなところからほんものを生きる人になり、意味深い生活を目指したいものです。

セカンドステージの児童・生徒には、もう一つ、言わば5つ目として、弱さに負けない勇気をあげました。何か嫌なことに直面しなければならないとき、難しいことに直面したとき、友人関係で自己中心的な思いにとらわれたとき、弱さに負けずに、自分の心の底で本当は正しいと感じていること、より良いと思うことに向かっていくための勇気です。これは失敗を恐れない態度でもあるでしょう。何かにチャレンジしているとき、なかなかうまく行かなかったり、失敗してしまったりするということはよくあることです。聖フィリピンも数多くの失敗を経験しました。失敗をしてもかまいません。大事なことは、いつも目標に向かって、正しい方向を見つめていることです。失敗しても、自分の歩みが小さくても、目標に向かって、正しい方向を見つめて歩み続けているなら、それが大切なことなのです。このくらいでいいや、このくらいのことは平気、みんなもやっている、このような声が心の中に聞こえてきたときは、正しい方向を見ていません。弱さに負けない勇気をもって、正しい方向を見続けることが大切です。この最後のものだけでも、しっかりと心の中にもっておいてほしい勇気です。

聖フィリピン・デュシェーンの祝日に、聖フィリピンと共に祈りを深め、聖フィリピンから勇気を教えていただき、自分のものとできるよう、心を込めて祈ります。

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