20230426聖心女子学院2024パンフレット本編

Sacred Heart School, Tokyo ���� School Guide

未来を育む森。 自分らしく未来を描きながら 「多様に、グローバルに、よりよく生き抜く。」ために。 1

聖心女子学院の学び舎は、都心にありながら 緑豊かな自然とふれあうことができる恵まれ た環境の中にあります。豊かさを育む森の 中で、四季の移ろいを感じながら、のびのび と学び、それぞれの可能性を伸ばし、自分ら しく開花させていく12年間がはじまります。 ロゴマークは生徒がデザインしたものです。 聖心女子学院は2023年に 創立115周年を迎えました。 2

聖心は、 ひとつの家庭。 家族のようにお互いを大切にし、 温かく寄り添う、惜しみない心が根づいています。 3

子どもたち一人ひとりは、神の愛を受けたかけがえの ない存在です。そして、聖心女子学院での学校生活は 子どもたちの成長を見守る、あたたかなまなざしのも とにあります。創立者である聖マグダレナ・ソフィア・ バラの「聖心はひとつの家庭」という言葉は、すべての 児童・生徒の心に根づいています。家族と共にいるよ うな安心感や信頼感の中で育まれた「やさしさ」「思い やり」「人に尽くす心」は、日常生活のさまざまな場面 で活かされていきます。 ともに 4

学ぶことは、 考えること。 考える力を伸ばし、 さまざまな状況に対応できる判断力を磨きます。 5

学習のスタートは、基礎学力を徹底し、学びの土台を築 くことからはじまります。段階を踏みながら基礎・基本 をかためることで、新しいことを学び、身につける楽しさ を実感できるようになります。また、自ら課題を見つけ て考える積極性も養われていきます。日々の授業で考 える力を高めながら、学校生活の様々な体験を通して 判断力を磨き、自分の内面から生まれる豊かで確かな 言葉を発する力や行動力を身につけていきます。 学び 6

じぶんと、 向き合う。 祈りの時間は、 自分をみつめ自分と対話する時間でもあります。 7

祈り・行事・宗教の授業を大切にする姿勢は、すべての 活動の基盤として聖心女子学院の生活全体をしっかり と支えます。毎日の生活の中に祈りの時間を大切にし ます。自分の心を見つめ、感謝や希望をもって生きる 姿勢を養います。神のまなざしのもとにある自分と他 者を大切にする心や、キリスト教の価値観に基づいた 思考力・判断力・実践力を段階的に養いながら、自分の 生き方を考え、選択できるように導いていきます。 祈り 8

多様性を受け入れ、 主体的に関わる。 他者のためにできることを自らさがし、 実践していきます。 9

聖心女子学院には、校内はもちろん、校外、国際社会に つながる多彩な奉仕活動プログラムがあります。立場 の異なる様々な人の存在を認め、積極的に関わる力を 身につける機会として、一人ひとりが奉仕の心を持って 活動しています。 奉仕・共生 中高奉仕委員会は、毎月行う募金の寄付先を全校生徒の 投票で決めています。2021年度はプラン・インターナショナ ル(途上国の女子を援助する団体)、2022年度は国境なき 医師団に寄付を行いました。また、校内では古本、古切手、 ペットボトルキャップ、コンタクトレンズケースなどを集め て、カンボジアの学校建設に役立てたり、途上国への医療 従事者派遣事業を支援したりしました。それらは、資源の 再利用をすすめることにもつながっています。 自分たちで考え行動する 10

伝統の上に、 未来を描く。 聖心女子学院は1801年フランスのアミアンで、女子の ための寄宿学校として創立されました。それ以後フラ ンス各地で設立され、キリスト教的価値観に基づく魂と 高度な知性、行動力を育む女子教育の伝統を築いてき ました。1818年にはアメリカでも設立され、南米にも広 がり、日本では、ヨーロッパからオーストラリアを経て、 1908年4名の聖心会修道女により聖心の教育の礎が定 められました。現在、日本では6つの姉妹校が幼稚園か ら大学院まで、世界では32カ国の姉妹校が聖心の教育 のスピリットを受け継いでいます。 200年にわたる女子教育の伝統は、 新しさを支える強固な基盤となっています。 たったひとりの子どものためにも 私は聖心女子学院をたてたでしょう。 創立者 聖マグダレナ・ソフィア・バラ (1779 -1865) 1908 1978 2008 1928 1909 明治41年 昭和53年 平成20年 昭和3年 明治42年 オーストラリアより4名の聖心会修道女が横浜港に 到着「語学校」開校 財団法人 聖心女子学院設立 創立70周年記念行事 ソフィア・バラホール落成 創立100周年記念行事 デュシェーン ホール(安藤忠雄氏 設計)落成 4ー4ー4制開始 関東大震災で焼失した校舎を再建 聖堂・普通教室落成 白金三光町に校舎・正門落成 聖心女子学院の歴史 Congo Ireland Uganda Egypt Kenya India Japan U.S.A. Puerto Rico Brazil Argentina Uruguay Canada Mexico Peru Colombia Chile Korea Taiwan New Zealand Great Britain Belgium Germany Poland Austria Italy France Spain Malta Australia Chad Venezuela 世界32カ国の姉妹校(2023年現在) Kincoppal-Rose Bay School of the Sacred Heart (Australia) Songsim Sacred Heart Girls' Middle and High School (Korea) マーテル・アドミラビリス (感ずべき御母) Mater Admirabilis 11

現代社会の課題について生徒・児童が自ら考え行動する ことが自然と身につく環境です。2016年から続くSDGsへ の取り組みとして、プラスチック・フリー・キャンパス(PFC) 活動を展開しています。紙素材を利用したオリジナルデ ザインのファイル制作と販売、サトウキビ由来の繊維PlaX を利用したお弁当袋の制作など、積極的に活動の幅を広 げています。2022年度には高等科生がアメリカサンディエ ゴ大学主催のSDGs動画コンテストに応募し、海洋生物に 優しい繊維マスクを推奨した作品で5位を受賞しました。 創立115周年を迎える2023年度からはセカンドステージ でも少人数クラス制を導入。心理面で著しく成長する思 春期前期(セカンドステージ)の児童・生徒を、3 0名×4 学級に編成することで、きめ細やかに育みます。ばら、ゆ り、きくに加わる4クラス目の名称は、児童・生徒から募 集し「ふじ(藤)」に決まりました。また、子どもたちの主 体的な活動を支えるため、キャンパス内を新たにデザイ ンし直すなど、未来を見すえた学びの環境を整えるプロ ジェクトもはじまります。 教育のICT化にいち早く取り組んできたため、新型コロ ナウイルスの影響を受けた時期にも全学年のオンライ ン授業をスムーズに進めたり、世界32カ国に広がる姉 妹校の中でも日本と時差の少ないエリアの生徒たちと 授業中に交流を深めたりすることができました。2022 年度にはさまざまなエリアへの留学が再開され、アイル ランドやメキシコなどそれぞれの学びの目的に応じた 国の姉妹校を選んで多くの生徒が飛び立っています。 伝統・革新 目の前の課題や世界に目を向けた行動力 創立115周年を迎え 学びの環境がますます充実 ICTにも留学にも活かされる 世界32カ国の姉妹校ネットワーク Mount Anville Secondary School (Ireland) Sacred Heart Girls Jr. and Sr. High School (Taiwan) Woodlands Academy of the Sacred Heart (U.S.A.) Forest Ridge School of the Sacred Heart (U.S.A.) 国内の姉妹校 聖心女子大学 (大学・大学院)東京都渋谷区広尾 札幌聖心女子学院 (中・高)北海道札幌市 不二聖心女子学院 (中・高)静岡県裾野市 小林聖心女子学院 (小・中・高)兵庫県宝塚市 聖心インターナショナルスクール (幼・小・中・高)東京都渋谷区広尾 聖心女子学院が創立115周年という節目を迎えるにあ たり、さらに未来に向かって飛躍してほしいという意味 を込めて作成いたしました。しなやかに芽吹いていく 新芽をイメージしたハート型を基調とし、中央には学校 理念でもあり、キリスト教のシンボルでもある十字架を あしらいました。(高等科3年生R.O.) 創立115周年ロゴマークを生徒がデザイン 12

世界を、広げる。 時代や国境を超えて、 自分らしく活躍できる女性を育てます。 13

英語教育だけでなく、国際理解を深め、世界の人々と関 わり合える能力の育成に力を注いでいます。共生の姿勢 と広い視野をもって交流を深めながら、世界の人々と関 わり活躍する力を育てます。姉妹校からの留学生たちは 本校生徒の家庭でホームステイをし、お互いの文化や生 活の理解を通して、友情を深めています。異なる意見や 考え方を持つ他者に敬意をもって接し、人種や国籍を超 えて共生する力を身につけることで、一人ひとりの世界は さらに大きく広がっていきます。そして、その中で各々が 個性を活かし他者とともに新しい世界を築いていきます。 グローバル・多様性 2022年は、中等科3年生がメルボルンにある姉妹校と季節 ごとの情報交換を行いました。高等科生は、3月と9月の2 セッションにおいてオセアニア・アジア圏の姉妹校と社会 問題についてテーマを決めながら、それぞれ7回ほどディス カッションを行いました。2023年は3月にアイルランド、アメ リカ(サンフランシスコおよびシアトル)の姉妹校へそれぞれ 2~3名ずつ短期留学に派遣され、4月にはメキシコ、7月 にはオーストラリア(メルボルン、シドニー、ブリスベン)への 派遣が予定されています。 世界に広がる姉妹校との交流 14

18歳までの 12年間を有意義に。 女子の発達段階にふさわしい 学びの理想を追求した3ステージ制です。 15

12年間という長いスパンを4年ごとの3ステージに区 切り、成長の早い女子の発達段階を踏まえた、より質 の高い教育をめざしています。たとえば、ファーストス テージの代表としての役割を担う4年生時には、リー ダーシップを発揮する機会が格段に増えるなど、より よいタイミングで、よりよい機会を多く得ることができ るようになります。学習面でも、ステージごとの狙い を明確にしたカリキュラムを備えています。 4 - 4 - 4 制 1年 5年 9年 2年 6年 10年 3年 7年 11年 4年 8年 12年 初等科 中等科 高等科 1st Stage 2nd Stage 3rd Stage ファーストステージ セカンドステージ サードステージ 基礎・基本の徹底 定着・習熟・伸長 応用・発展・深化 少人数で基礎学力を徹底。 学びの土台を築きます。 教科担任制により自主的に 学ぶ姿勢を定着させます。 一人ひとりの進路に対応できる、 真の力を育成します。 16

一つひとつの経験が、 心豊かな成長を支えていく。 年間行事 4 April 5 May 6 June 7 July 8 August 9 September ● 入学式 ● 前期始業式 ● 春の遠足(1〜6年) ● 学校探検(1・6年) ● 自然教育園(2年・年4回) ● 始業ミサ ● 英語実力テスト(8〜12年) ● 創立者祝日 ● 聖母戴冠式 ● 1 年生を迎える会 ● 運動会 ● 消防写生会(3年) ● 体育大会 ● 学校参観日 ● みこころの祝日 ● 下校グループ親子集会 ● 校外学習(5年) ● 親子防犯教室(1年) ● 美術館見学(6年) ● 英単語検定(6年) ● 水泳教室(2〜6年) ● ハイチデー ● 校外学習(4年) ● 合唱コンクール ● 奥日光キャンプ(8年) ● 東北体験学習(9年) ● 歌舞伎教室(10年) ● 聖心女子大学説明会(10年) ● 長崎研修旅行(11年) ● 黙想会(12年) ● カンボジア体験学習 ● オーストラリア語学研修 ● ワークキャンプ ● SOFISワークショップ ● 台湾文化交流キャンプ ● 富士登山 ● 水泳教室(1年) ● 校外学習(6年) ● 美術館見学(5年) ● パン工場見学(2年) ● 秋の遠足(1~3年縦割り) ● 学年のつどい ● 共通行事/● 初等科行事/● 中・高等科行事 17

10 October 11 November 12 December 1 January 2 February 3 March ● 後期始業式 ● みこころ祭 ● 感ずべき御母の祝日 ● 港区めぐり(3年) ● English Day(1〜4年) ● 球技大会 ● 大学生による進学体験談(11年) ● 聖フィリピン・デュシェーンの祝日 ● 作文発表会 ● 1日学校参観日 ● 社会科見学(4年) ● 都バス営業所見学(2年) ● 英単語検定(5年) ● 漢字コンテスト ● 社会人講師講演会(11年) ● ゆりの行列 ● クリスマス・ウィッシング ● ハイチデー ● 焼き芋大会(1年) ● 新年の祈り ● 百人一首大会(5~8年) ● 英検(6~10年) ● 下校グループの集まり ● 英検Jr(. 4年) ● English Day(7~9年) ● 学習発表会 ● 学年参観日 ● 卒業研究発表会(6年) ● 個人研究発表会(5年) ● カトリック音楽会(6年) ● 聖心インターナショナル スクールとの交流(1年) ● 練成会(7〜11年) ● 送別セレモニー ● 卒業生の話を聞く会(9年) ● 保育園体験(12年) ● 卒業式 ● 修了式 ● ハイチデー ● 感謝のミサ ● 6年生を送る会 ● 能教室(6年) ● 学年のつどい ※2023年度の行事は、新型コロナウイルスの感染防止のため、変更または中止する場合があります。 18

委員会・クラブ活動 委員会 クラブ活動 初等科(4年生より) 初等科(4年生より) 中高等科 中高等科 ■運動部 剣道部 水泳部 ソフトボール部 卓球部 ダンス部 テニス部 バスケットボール部 バドミントン部 バレーボール部 陸上競技部 演劇 科学 コンピュータ 卓球 サッカー 手話 児童会 代表委員会 もゆる 放送もゆる 健康もゆる 国際もゆる 情報もゆる スポーツもゆる ソフィアもゆる 環境もゆる 図書もゆる もゆる会 校内美化委員会 視聴覚放送委員会 聖星委員会(校内新聞) ソフィア委員会 体育委員会 塔委員会(校内誌) 図書委員会 保健委員会 出席係 生徒会 執行部 評議会 幹事会 もゆる会 常設委員会 ■文化部 英語演劇部(EDC) 演劇部 オーケストラ部 家庭部(サードステージ) 軽音楽部 美術部 理科部(生物班・地学班・理化学 班) ■同好会 模擬国連 手話 ESS 華道 茶道 百人一首 サッカー 他 ダンス 手作り 読書創作 バスケットボール バドミントン 美術 ミュージック 鬼ごっこ・ドッジボール ボードゲーム かるた・折り紙 19

制服 1960年(昭和35年)に制定されたスカート、ベスト、ブレザー、ブラ ウス、ワンピースに加え、2021年(令和3年)からは生徒会・児童会 の発案により実現したスラックスを着用することもできるようにな りました。寒い季節には、オーバーコートを着用します。 学童保育「ジョアニークラブ」 「社会に貢献する女性の育成」を建学の理念とする学校として、仕 事を持つ保護者を支援する学童保育「ジョアニークラブ」を開設し ています。放課後に児童が安心して過ごせる環境を整えるととも に、親子のよりよい関わりをサポートします。 対象 1~6年生 実施日時 授業のある日:授業後の放課後~18時30分 長期休暇など授業のない日:8時15分~18時30分 *8月中旬、年末年始、11月1日は開室しません。 運 営 特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール お弁当の注文・パンの販売 お弁当(1~10年生) パン・おにぎり( 7~12 年生) 初等科・中等科では週2回お弁当を注文することができます。旬 の食材を使った手作りのお弁当を、アポルテフードファクトリーに 委託しています。食の安全に配慮し、できるだけ無添加・国産の 食材を使用しています。急病、急用でお弁当作りが難しい保護者 や、介護や育児、仕事をお持ちの保護者を支える取り組みのひと つです。 中等科・高等科では昼食の補助としてパンとおにぎりを販売して います。パンは、高等科生がボランティアで販売を担当していま す。仕入れ価格に上乗せして得た収益金は、東日本大震災遺児 の育英資金として寄付しています。校内で購入でき、美味しく便利 であるだけでなく、仕入れ・販売・寄付の各側面で自分たちの力を 活かし、社会とのつながりを意識する場となっています。 20

多彩なジャンルで活躍する 卒業生からのメッセージ 聖心では、「社会に貢献できる賢明な女性となること」を目指し、 そのために「自分の出来ることは何か」を常に考えるように教えて いただきました。中等科では、「生物、化学、物理、地学」に分かれ て専門的になる理科の授業が本当に面白く、自分の興味を追求 し、学んだことを人のために役立てることができる職業として医 師を目指しました。大学卒業後は耳鼻咽喉科医として診療にあ たっています。同じ病気でも症状の辛さ、受け止め方は人それぞ れです。訴えを傾聴した上で、診察、診断、治療していく。日々の 診療は同じようなことはあっても同じことはおこりません。日進 月歩の医療の世界では、提供できる治療の選択肢も年々増えてい ます。聖心で育んでいただいた他者に共感する心を持って誠実 に、研鑽を怠らずに一人ひとりの患者さんのそれぞれの最善を目 指すこと、それが、今、私に出来ることと考え、これからも努めてま いりたいと思います。 他者に共感する心を持って誠実に 医師 医学博士 総合病院国保旭中央病院 耳鼻咽喉科主任医長 小林麻里さん 71回生 1986年卒業 東京医科歯科大学医学部卒業後、東京医科歯科大 学付属病院研修医、都立駒込病院医員、NTT東日本 関東病院医員、東京医科歯科大学助教などを経て 現職。東京医科歯科大学医学博士。日本耳鼻咽 喉科学会専門医。耳鼻咽喉科専門研修指導医。 聖心で学校生活を送るなか、自分と同じ年頃の子どもが困難 な状況下で生きているという事実について知り、成長段階に あわせて考える機会を数多くいただいたように思います。さ まざまな経験を通じて、国際的な視野をもちながら、「よりよ い社会を築く」ために自分が貢献できることについて考える習 慣を育んでいただきました。(※) 私は、テレビ番組を作っている、耳の聞こえないディレクターで す。在校中は補聴器をつければ、会話がほぼ成立していまし たが、現在は、自力では聞き取ることが出来ず、音声を文字に 起こす通訳者と一緒に働いています。前例のない働き方を実 現できた原動力の1つには、聖心で育ったことが影響している ように思います。(※) 聖心で培った、人智の及ばない大きなものに生かされ、守ら れているという意識は、自分に謙虚な気持ちと同時に、むしろ 小さな己だからこそ自分らしく精一杯生きて人の役に立とう、 それこそが生きる意義だ、という確信とエネルギーを、いまも 与えてくれています。何より礎となっているのは、「小我でなく、 大我に生きる」、奉仕の精神です。(※) 公益財団法人 日本ユニセフ協会 個人事業部 マネージャー 松本和子 さん 80 回生 1995 年卒業 NHK 制作局ディレクター 長嶋愛 さん 84 回生 1999 年卒業 株式会社電通 コピーライター /CMプランナー / 作詞・作曲 本間絹子 さん 74 回生 1989 年卒業 社会に生きるための人間教育 耳の聞こえない TVディレクターとして 大我に生きる よく生きる ※フルバージョンは Web にてご覧いただけます。 公益財団法人 クリエイティブ 医療 放送 聖心女子大学卒業、2003年NHK入局、Eテレ「ハートネットTV」「ろ うを生きる難聴を生きる」「ETV 特集」などの番組を制作。 早稲田大学 第一文学部 心理学科卒業、電通入社。サントリー燃焼系アミ ノ式、トヨタ自動車パッソ、花王新メリット、NHK みんなのうた「おは ようのうた」等の企画・作詞・作曲・歌唱を担当。1 児の母。 聖心女子大学文学部卒業(国際政治専攻)。ロンドン・スクール・オブ・ エコノミクス修士課程(エスニシティ研究)を修了後、日本ユニセフ協 会に入協。2016 年より現職。仕事の傍ら、高等科 3 年に始めたいけばな を続ける。草月流 1 級師範常任総務。 21

初めて三光町校舎を訪れたとき、緑豊かなキャンパスと初等科校 舎の美しい佇まいに心奪われたことを今でもよく覚えています。 正門から本館へと続く坂道の景色や、荘厳な聖堂での祈りの時間 は、常に新鮮な感動や静謐な気持ちを与えてくれました。聖心の 豊かな環境は私にとっての美しさの原点です。また在学中、授業 やミサで言及される社会問題、ハイチデーや奉仕活動への参加 は、周囲に目を向ける機会をくれ、活躍する諸先輩方の講演会や 著作に触れることで、他者のために行動することの大切さを学び ました。“他者への貢献”は思考の原点です。聖心は、私に心の指 針を作ってくれました。この指針は“利用者だけでなく周辺地域 や地球環境にも配慮した美しい建物を目指す”という、自分が働く 上での大きな目標の礎となっています。そして自身の目標を実践 していくことで、子供達や周囲の人々が心の指針を作る際のきっ かけとなる存在でありたいです。 三光町の12年間で強く心に刻まれた教えの一つに「generosity」 があります。物惜しみしないことを意味し、他者に寄り添い奉仕 する惜しみない心を大事にした創立者の想いを表す言葉です。 私は、実社会に貢献する仕事がしたいと考え、卒業後は法学部に 進学し、現在は弁護士として主に国内外の企業買収案件に従事 しています。企業の重大な局面をサポートするにあたっては、難 解な判断や、時に多忙を極めることもありますが、この教えが自 身の思考や行動の礎を形成していることを実感します。学院生活 を振り返ると、他者、ひいては世界に目を向けて視野を広げる機 会、また、他者に寄り添い自らの役割を考える機会が豊かにあり、 その根底には物惜しみしない心と、それを正しく使える芯の強さ やしなやかさを育むスピリットがありました。さらに、その聖心ス ピリットを共有し、時を超えて心を通わすことのできる友人や先輩 後輩も、かけがえのない財産であると確信しています。 心の指針をつくる場所 人生の糧となり道標となる聖心スピリット 一級建築士 株式会社日建設計 設計部門 プロジェクトアーキテクト 三井麻衣子さん 86回生 2001年卒業 弁護士 西村あさひ法律事務所勤務 内海友理さん 93回生 2008年卒業 東京大学工学部建築学科、及び同大大学院工学系 研究科建築学専攻を卒業。在学中にチューリッヒ 工科大学(スイス)に留学。2009年より株式会社日 建設計・設計部門にて勤務。超高層ビル、大学研究 施設、ホテル等の意匠設計を担当。現在は双子男 児を育てながら同社で働いている。 慶應義塾大学法学部、慶應義塾大学法科大学院卒 業。弁護士として西村あさひ法律事務所に勤務。 渉外弁護士として国内外のM&Aディールを中心とし た企業法務に携わる。 世界中に卒業生を抱える聖心コミュニティーの一員として、私 たちは幼い頃から、自分たちは地球社会の一員だというワク ワクとした自覚と、どんな小さなことでも「人のために何がで きるか」を考えるヒューマニストとしての心を育む機会をいた だいてきたように思います。今は中学生から大学院生まで多 様な年齢層を対象に、日本とアメリカの狭間で教育活動に関 わっていますが、そこで実現したいのは「人に興味を持つ世代 を育てる」ということです。(※) 翻訳の勉強を始めた時につくづく感じたのが、聖心の英語教 育の質の高さです。よく「学校の勉強って何の役に立つの?」 といった疑問を耳にしますが、私の場合は、学校の勉強こそが 仕事に直結しました。今の仕事の基礎は、すべて中高で養っ たと言っても過言ではありません。また、子ども時代の豊か な文化体験が大人になってからの生きる「地力」になることも 実感。それを教えてくれたのも、一貫校ならではの聖心の行 事や体験学習でした。(※) スタンフォード国際多文化教育プログラム (SPICE) 講師 東北大学客員教授・一般社団法人スカイラ ボ共同代表 ヤング吉原麻里子 さん 71回生1986年卒業 英米文学翻訳家 書評・エッセイ執筆 白百合女子大学・フェリス女学院大学講師 三辺律子 さん 71 回生 1986 年卒業 人間に興味を持つ世代を育てる 聖心での学びと体験が 翻訳家としての基礎に 建築設計 法曹 教育 翻訳・執筆 聖心女子大学文学部英語英文学科卒業、都市銀行及び聖心女子大学英文 研究室勤務を経て、白百合女子大学大学院児童文化学科修了。文芸翻訳、 訳書は『ジャングル・ブック』など130冊以上。編著書に『翻訳者によ る海外文学ブックガイドBOOKMARK』、共著に『今すぐ読みたい!10 代のための YA ブックガイド 150』など。 聖心女子大学文学部卒業後、米国に留学。2000 年にスタンフォード大学 で博士号(政治学)取得。シリコンバレーで二女一男を育てながら、教 育と研究活動に携わる。著書に『世界を変える STEAM 人材』( 朝日新書 )。 22

在校生の声 この間、12年生が2年生のために科学文化祭を 開いてくださいました。バスボム作りでは、ビ ニール袋に重曹やクエン酸を入れて、香りや色 をつけるためのオイルや食紅をまぜました。い いにおいで、もっとたくさん作っておふろに入り たいと思いました。ほかにも、砂糖を入れただ けでシャボン玉が軍手でさわれたのでびっくり しました。帰ってから実験してみると、軍手をつ けないでさわるとすぐにわれてしまうことがわ かりました。塩ではふくらみませんでした。12 年生のお姉様に会うまではどういう方なのか と緊張しましたが、思った以上にやさしくて楽し い時間になりました。私はもうすぐ3年生です。 秋の遠足で1,2年生をつれて動物園の案内をす るので、楽しくお話をするお姉様になれるよう努 力したいです。 小学校時代を海外で過ごした私は、将来は国を 越えて人の役に立ちたいと思っていました。聖 心には視野を世界に向けた奉仕活動やSDGsに 取り組む活動が多くあり、私は日々の募金活動 の他、語学研修や模擬国連活動への参加を通し て、自ら勇気をもって一歩踏み出した先にある 大きな世界の存在に気づきました。また、校内 のプラスチック・フリー・キャンパス(PFC)の活 動を通して、グローバルマインドで物事を考える 必要性と同時に、実際に行動に起こす重要性を 学びました。PFCでは、生徒主体で校内のプラス チック使用を最小限に抑える活動を行っており、 自分たちの発案が学校を巻き込んだ大きな変 化を生み出した際にはメンバーで大きな喜びを 味わうことができています。Think globally act locallyという言葉のように、変動する世界情勢 に目を向けつつ、自分にできることを実践してい く大きな意義を感じることができました。 今年度の児童会では、初等科全体が一つになっ て、お互いの意見を尊重し合い、視野を広げるた めに「意見ポスト」を設置しました。意見ポストに 入った意見をなるべく実現できるように、児童会 で検討します。今年度は意見ポストに寄せられ た意見を元に、SDGsをより身近に感じることが できるような企画を考えました。意見ポストを通 して、さまざまな意見や考え方を知り、寄せられ た意見を実現するために深く考えることで、児童 会の会長である責任感もよりわいてきました。ま た、他の学年と交流しながらSDGsに目を向ける ことで、一人で行うよりも楽しく、積極的にSDGs に取り組めます。児童会会長になり、自分のこと だけでなく周りにも耳をたくさん傾けることの大 切さが分かりました。これからも人に尽くす心を 忘れずに過ごしていきたいと思います。 私は初等科5年から聖心に入学し、英語学習を 始めました。コロナ禍に高等科へ進学し、5つ 以上のプログラムに参加する機会がありまし た。その中の2つが特に印象に残っています。 1つ目は、11年生の冬に参加したSacred Heart LIVE (10か国の海外姉妹校とのオンライン交流) です。約5人の混合グループを組んで文化の相 違について討論しました。離れていても聖心の 共同体の温かさを感じました。週に1回、校内 の参加者が集まり、英語での素早い思考力を鍛 えたことも役に立っています。 2つ目は、12年生の夏に開催されたUCL Japan Youth Challenge(2022年度はオンライン開催) への参加です。ロンドン大学の教授による講義 後、Q&Aで日本と英国にいる高校生の視点を共 有します。海外交流を通して、積極的に学び達 成感を得ました。また、双方向型の講義で学び に主体性を持つことができました。これからも 聖心で得た経験を糧に、さらに世界へ視野を広 げていきたいです。 やさしく接してくださったお姉様のように グローバルマインドで考え行動する 周りに耳を傾け人に尽くす心を忘れない 聖心で得た経験を糧に視野をさらに世界へ ファーストステージ生(2年生) サードステージ生(12年生) セカンドステージ生(6年生) 後期児童会会長 サードステージ生(12年生) 23

教育理念 2023年、聖心は創立115周年を迎えます。1908年にオーストラリアから来日して以来、 変遷を経ながら、多くの女子を育ててきました。21世紀の聖心女子学院は世界に向けて 視野を広げながら、これからに向かって新たな歩みを進めます。 4月から、5年生を1学級30名の4クラス体制とし、ファーストステージに続いてセカンドス テージでも少人数学級を実施します。新クラスの名前は、児童・生徒と共に考えました。 子どもたちと共に学院の新たな時代を開きます。 子どもたちの未来は希望に満ちてほしいもの。それなのに、コロナ禍に世界情勢はさ らに厳しい様相を表しています。でも、だからこそ、子どもたちと共に聖心では希望を紡ぎ ます。毎朝、初等科の子どもたちは元気に登校し、楽しく学校生活を始めます。校門をくぐ ると迎えてくれる緑の木々、友だちと先生との温かで賑やかな関わり、真剣な学習、日々の 充実が子どもたちの力を伸ばします。そして、同じキャンパスで学ぶ上級生たちと一緒に、 世界に向けて視野を広げます。ジェンダーやSDGsにも意識をもって、未来を見つめます。 聖心は世界32カ国に広がる聖心姉妹校ネットワークの一員です。オンラインで、コロナ 後に再開されつつある実際の交流で、世界の平和な未来に向けて共に活動します。昨年 は特に、ウクライナからの難民を支援しているポーランドの聖心に向けて、私たちも日本か らできる協力を考え、活動しました。このようにして聖心の児童・生徒は、日本の「私」から 世界の「私たち」へと視野を広げていきます。 初等科から始まる12年間の学校生活は、4・4・4制による女子の発達段階に適したカリ キュラムに沿って実り豊かに進みます。魂を育て、知性を磨き、実行力を養う、聖心の教育 方針は、児童・生徒一人ひとりをトータルに、変動の中でもしなやかで、そして芯の通った 女性へと育みます。 「私」から「私たち」へ 毎日の豊かな学びと育ちが視野を世界に広げます。 校長 Sr. 大山 江理子 聖心女子学院は、一人ひとりが神の愛を受けた かけがえのない存在であることを知り、 世界の一員としての連帯感と使命感を持って、 より良い社会を築くことに貢献する 賢明な女性の育成をめざします。 校章のまわりを縁どっているのは 百合の花で、清らかさを象徴して います。どのような状況にあって も、神から与えられた、神に属する 清純さを保ちつつ、さらに成長し ていきます。百合の花の上には聖 体が形どられ、神の愛に養われて 成長し、互いに結ばれて共同体を 作っていくことを意味しています。 24

魂を育てる 知性を磨く 実行力を養う 祈る心を大切にし、キリスト教の価値観に基づいて 愛と希望をもって生きる姿勢を育てます。 謙虚に自己を見つめ、現実に静かに向き合い、自らを深め、 高めていくように導きます。 みずみずしい感性と、 他と共感できる豊かな人間性を育みます。 知的価値を重んじ、喜びをもって自ら学ぶ力を育てます。 創造性に富む堅実な思考力と、正しく判断する力を育てます。 広い視野で物事をとらえ、 自分の考えを明確に表現する力を育てます。 人や社会と積極的に関わる能力を育てます。 骨惜しみせず働く習慣と、 誠実に他者に尽くす行動力を育てます。 責任感と謙虚な心を備えたリーダーシップを養います。 教育方針 25

自分自身も他者も、神からも人からも 愛されているかけがえのない存在であることを知っています。 「人に尽くす」という生き方に価値があると分かり始めています。 自分の経験をふり返り、考え、表現することができます。 自分自身の人生の意味を探求し始めています。 自分自身の長所も欠点も受け入れ、成長の手がかりにすることができます。 自分の中にある自己中心性に気づき、それを是正しようとしています。 いろいろな人たちに助けてもらい支えられてきたことに感謝しています。 各教科における基礎的学力が育っています。 学ぶ喜びと学習の達成感を知っています。 真理を追求したいという意欲が育っています。 知的好奇心が育っています。集中力が身についています。 自分で考える力と判断力が育ち始めています。 理論に基づいた判断力を使って、ものごとを分析する力が育っています。 種々の情報を批判眼をもって判断することができます。 自分自身の責任を明確に認識し、それを実行できます。 限界のある状況の中でも、 知恵を使って工夫を凝らすことができます。 集団の中で、必要に応じて、リーダーシップをとることができます。 リーダーを助けて自分の役割を担うことができます。 聖心女子学院生18歳の姿 18歳のプロファイル 18歳のプロファイルとは 聖心女子学院の教育理念と教育方針をもとに学んだ子どもたちが卒業する18歳時に身につ けておきたい資質や力を示したものです。児童・生徒、保護者、教員が共有しながら、日々 の教育活動や学校生活の指標としています。ここで紹介するのは、その一部です。60項目 の全文は、HPでご覧いただけます。 26

初等科・中等科・高等科 学校法人 聖心女子学院 〒108-0072 東京都港区白金4-11-1 TEL 03-3444-7671(代) FAX 03-3444-0094 https://www.tky-sacred-heart.ed.jp/ 国立自然教育園 白金台駅前 シェラトン都ホテル東京 八芳園 高松 中学校 白金台駅 白金氷川神社 聖心 女子学院 北里研究所 至恵比寿 至目黒 白金の丘学園 正門 通用門 首 都 高 速 2 号 目 黒 線 桜 田 通 り 外 苑 西 通 り 目黒通り 東大医科学研究所 高輪消防署 恵比寿3丁目 三光坂下 北里研究所前 白金台駅より 東京メトロ南北線・都営三田線「白金台駅」2番出口徒歩10分 目黒駅より 都営バス:大井競馬場行「白金台駅前(東大医科研病院前)」下車徒歩10分 都営バス・東急バス:東京駅南口行「白金台駅前(東大医科研病院前)」下車徒歩10分 田町駅より 都営バス:渋谷駅行「北里研究所前」下車徒歩3分 渋谷・恵比寿駅より 都営バス:田町駅行「北里研究所前」下車徒歩3分 品川駅より 都営バス:目黒駅行「白金台駅前(東大医科研病院前)」下車徒歩10分 池袋 新宿 渋谷 登戸 調布 青葉台 戸塚 白金台 上野 駒込 金町 西船橋 品川 四ツ谷 目黒 新木場 東京 横浜 新横浜 溝の口 赤羽 三鷹 練馬 和光市 �� �� �� �� �� � �� �� �� �� �� �� 二俣川 �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� 白金台駅までの所要時間の目安 初等科1年[募集:女子96名] 学校説明会 6月10日(土)・9月2日(土) 授業公開 年数回実施 ホームページでご確認ください。 入学試験 11月1日(水) 中等科1年(帰国生)[募集:女子約10名] 学校説明会 6月24日(土)・11月11日(土) 授業公開 7月7日(金) 入学試験 12月20日(水) 初等科5年 転入・編入[募集:女子約24名] 学校説明会 6月24日(土)・11月11日(土) 授業公開 7月7日(金) 入学試験 2024年1月13日(土) 2024年度児童生徒募集 聖心女子学院は2023年に 創立115周年を迎えました。

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