校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

2021年4月8日 初等科始業式 「失敗しても大丈夫」

2021.04.08

 新学年が始まりました。初等科は2年生以上で始業式を行いました。初等科講堂には5年生が集まり、他の学年は教室でオンラインで視聴しました。5年生、4年生から転入した児童の紹介も行いました。

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 皆さん、進級おめでとうございます。4日の日曜日はイエスのご復活のお祝いでした。ご復活おめでとうございます。

 今日は新しい学年の始まりです。みんな新しいクラスにようこそ!5年生、4年生に新しく入学したお友だち、初等科にようこそ!

 去年の4月は学校に来ることができませんでしたが、今年は学校で新学年が始められます。とてもうれしいことです。今日から始まる毎日を大切に過ごしましょう。

 今年の学校の目標は「Being artisans of hope. 希望の作り手になる」を続けながら、「変化を生み出す、変容を生きる」とします。希望の作り手になる、ということはとても大事です。希望の作り手は希望のタネを見つけて、それを育てて、希望を作っていきます。3月まで新型コロナウイルス感染症の中でも、皆でがんばって希望の作り手になろうとしてきました。色々なことができました。でも、まだまだ!もっと力強い希望の作り手になっていきましょう。

 希望はどんなものだと思っていますか?希望はこれから何か良いことが起こっていくと信じることです。それは変わっていくということです。ですから、今年は新しいことにたくさんチャレンジして変化を生み出していきましょう。希望があるから変わっていくことができるし、変化を生み出すことができます。どんな変化が生み出せるでしょう。とても楽しみです。新しいことや今までとちがうことを楽しみながら過ごしましょう。

 変化はそれまでと違うことです。変化が多いと大変だ、と感じることもあります。しかし、変化は新しいものを生み出す力にもなります。

 私たちにはずっと続けていつもやっていることも大事です。ふつうのこと、毎日いつもやっていることは、安心なことですし、いのちを続けるために必要なことです。ふつうのことや繰り返しの中に大事な力があります。ふつうは大事なこと。しかし、私たちはいつもふつうで同じことをしているだけでなく、新しいことにも挑戦して成長します。自分から進んで挑戦して変化を生み出して行けたら、やりがいがあってとても楽しいことです。

 2つ目に出てきた「変容」というのは少しむずかしい言葉です。これは変化よりもう少し深いものです。大きく変わったり、深い所から変わっていったりするときに使う言葉です。神さまがくださる変化のことを言うときに使う言葉です。これがどういうことなのか、この1年間で考えていきましょう。少しずつわかるでしょう。今日は、変容を考え始めるためのお話としてイエスのご復活について話します。聖書を読むと、イエスのご復活の話では女の人たちが活躍するので、私は毎年うれしくなります。

 皆さんは聖堂の大きな十字架を思い出せるでしょう。イエスが十字架にかけられています。残酷で怖いことです。ですが、それがイエスが亡くなったときの姿でした。それなのに私たちはイエスのご復活おめでとうございます!と言います。イエスは新しいいのちを生きています、今も私たちと一緒にいてくださいますと言います。それはどういうことでしょうか?不思議なことです。人間も生きものも、悲しいことにいつか皆死んでしまいます。それなのに、イエスは違うのでしょうか?私たちはどうなるのでしょう?信じられないようなことです。

 聖書には、どのように書いてあるのでしょう。イエスが亡くなった後、女の人たちと少しの男の人でイエスを十字架から下ろして、お墓に納めました。弟子たちは怖くなって逃げてしまったので、女の人たちが一生懸命に働きました。イエスのお墓は日本のお墓と違います。岩穴のようなところで、横穴の中に納めます。穴の入り口に大きな石を置いて穴を塞ぎます。2日後に、女の人たちはイエスのことが心配でお墓を見に行きました。イエスはもう亡くなってしまったけれど、ちゃんとお世話しておきたい。亡くなった人のためにみんながいつもしていることをちゃんとやりたい、そういう気持ちだったことでしょう。イエスが亡くなったのはとても悲しい、残念なことで怖いことでした。しかし、女の人たちはいつもやっているふつうのことを忘れてしまうことがありませんでした。そこで、お墓に行きました。ところが、お墓に行ってびっくりします。なぜならお墓が開けられていて、イエスの姿がなかったからです。そして、女の人たちは誰かから「イエスはここにいない、イエスは復活された、そのようにイエスは話していたでしょう」と言われます。こう教えてくれたのはきっと天使です。女の人たちは新しい現実に驚きます。そして、イエスの言葉を思い出します。「ああ、そうだった!イエスはそうおっしゃっていた!」女の人たちは新しい考え方になって、変化したのです。それで急いで弟子たちのところに行って、この話をしますが、信じてもらえません。ペトロとヨハネの二人だけがお墓に確かめに行きました。

 女の人たちはすぐ信じたのに、弟子たちがなかなか信じられなかったのはどうしてなのでしょう。女の人たちはすばらしいと毎年思います。どこに違いがあるのか考えてみると、女の人たちがイエスを大切にしたいという気持ちをずっと持っていたこと、とても悲しく、不安で心配なときでも、ふつうのやるべきことを忘れなかったことではないかと気づきます。弟子たちはイエスが亡くなったのは失敗だったという気持ちで、がっかりし過ぎていたのかもしれません。しかし、女の人たちはふつうのことを大事にすることで、イエスは生きていると信じるという深い変化を経験することができました。ふつうと違うことにびっくりすることで、新しいことを学びました。これが変容です。神さまがくださる変容はこういうことだと思います。

 私たちにはふつうのこと、いつも続けてやっていくこともとても大事ですし、いつもと違うこと、新しいこと、変化することも大事です。変化はうれしい時にも起こります。そして、失敗の時にも変化が起きます。ですから、失敗は変化のチャンスです。失敗を恐れずチャレンジしましょう。失敗しても大丈夫。この気持ちで今学年は進みましょう。先生たちはいつでも皆さんを見守っています。失敗は今年の目標を実行するためのチャンスと考えて進みましょう。

 これからも学校生活では感染防止対策に続けて気をつけます。皆で健康で過ごしましょう。お友だちと新しいことをたくさん学んでいきましょう。初等科の皆でどのような変化を生み出せるでしょうか。1年生の入学式も行われます。とても楽しみです。これから皆でたくさんの変化を生み出すような楽しい初等科にしていきましょう。期待しています。

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