校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

10月20日 サードステージ 感ずべき御母の祝日

2020.10.20

 10月20日は感ずべき御母の祝日です。学校行事として日程を変えることもあります。今年は19日から3日間にわたり各ステージで祝日の祈りをしています。10月20日が祝日に定められたのには、この絵の名前と関わりがあります。この絵が描かれた2年後の1846年10月20日に、当時の教皇ピオ9世がこの絵をご覧になって"Mater Admirabilis!"(なんと感ずべき御母!)と感嘆されたという出来事がありました。それ以後、10月20日を祝日とすること、この絵の前でミサをすることが許されたとされています。

 例年は聖堂にこの絵を飾り、一同が会して祈りますが、今年は各教室へソフィア委員会が作成した動画も配信しながら、祈りを行いました。また、今年はヨーロッパの聖心姉妹校からの招待で、世界の聖心がこの祝日の祈りをメールで送り合いました。各校からの祈りが、大きな一致の心と希望を紡ぎ出しています。

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 感ずべき御母の祝日おめでとうございます。

 今年の祝日は特別なものとなりました。世界の聖心姉妹校から送られてきた祈りが職員室前の掲示板に集まっています。皆さん見てみましたか?数多くの姉妹校があると知っていても、今回改めて、それぞれの姉妹校の姿が心に迫るものとして表れ出てきたように感じます。

 国により、それぞれに異なる状況を経験しながら、新型コロナウィルス感染症に苦しむ世界の一員として、心を一つにして祈っています。皆さんのそれぞれのクラスで作った祈りにも深い思いが込められていました。学校名を見ながら、その学校のこと、生徒や国の様子をCIMG2869.jpg考えました。特にアフリカの学校に目を留めました。ケニアのレイニ・サバ校はナイロビの世界で最も大きなスラムの中にある小学校です。子どもたちの生活はどうなっているでしょうか。ただでさえ貧困や劣悪な環境が深刻なのに、今はどうなっているでしょうか。エジプトのヘリオポリスの聖心はイスラム教の国における学校です。どのような気持ちで祈っているのでしょうか。

 英語・フランス語、スペイン語と3つの言語で書かれているもの、中国語や日本語の訳がつけられていたものもありました。送り先への配慮なのでしょう。そして、それができるだけの多様なバックグラウンドの人々が学校の中にいるのかと考えると、どのような学校だろうかと一層の興味がわきました。

 "Our greatest hope is peace." と繰り返し祈っている学校もありました。分断や格差の現実の厳しさを感じているのかもしれません。新型コロナウィルスを通して、地球と私たちのニーズ、必要としているものは同じと気づき、私たちが求めている安心や健康、平和などは地球も求めているという祈りも心に残るものでした。まず地球のために祈ってから、人類のための祈りが続き、分断でなく、一つの心を求めて祈っていました。

 感ずべき御母は世界の聖心の私たちを一つに結ぶ大きなより所です。世界の聖心の仲間の祈りに私たちは教えられ、支えられています。今回集まってきたそれぞれの姉妹校の祈りは、大きな祈りの大切な一つのピースで、全体で世界を包む大きな祈りになっています。

 この祈りによって、私たちは外側の違いを超えて心の内面でつながる経験をしています。私たちがこうして世界を超えて、一つの心で祈ることは、分断が際立つ今の世界に希望を作ることです。感ずべき御母の絵は朝のあけぼのの時間、人生の始まりの希望を表していると言われます。私たちの祈りは感ずべき御母に支えられて、希望を生む力となっていきます。

 感ずべき御母は特別に病の癒やしを聞いてくださるとも言われています。ですから、新型コロナウィルス感染症に苦しむ今年こそ、感ずべき御母に向けて、世界全体が癒やされ、健康な身体と希望に満ちた心で厳しい現実に直面していく恵みをいただけるように祈りましょう。 

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