校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

9月16日初等科朝礼 おばあさまになった感ずべき御母 敬老の日に 

2020.09.17

 日本聖心同窓会JASHから今年のニュースレターが届きました。10月に迎える「感ずべき御母」が特集され、日本の各姉妹校で大切にされている様子が掲載されました。紙上で写真を見比べて楽しむことができます。ニュースレターは日本聖心同窓会JASHのwebページで公開されています。

 「感ずべき御母」は聖心のマリア様として世界の聖心で愛され、大切にされている作品です。原画はローマのトリニタの修道院にありますが、写真や印刷技術の未発達な当時、各姉妹校は制作者のポーリーヌ・ペルドゥローに描いてもらうか、模写するかしか、絵を手に入れる方法はありませんでした。マザーペルドゥローは依頼に応じて複数枚の同様の絵を描いていると同時に、マリア様が高齢になられた想定の「感ずべき御母」も描いています。9月21日は敬老の日です。それに因んで話をしました。

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 この次の週末は特別です。月曜日と火曜日が祭日になっていますので、土曜日から数えると4日間もお休みが続きます。月曜日、火曜日は何のためにお休みとなるか知っていますか?まず、22日から説明しましょう。22日火曜日は秋分の日です。秋分の日は、1日の昼の長さと夜の長さがちょうど半分ずつ、同じ長さになる日です。春には春分、秋には秋分として、その日を区切りに季節が変わっていくことを祝っています。そして、21日は敬老の日です。ご高齢の方々を祝いますが、敬老の日は以前は9月15日にお祝いしていました。今では、秋分の日と続けて祝うように変更されています。

 日本には100歳以上になられる方がたくさんいらっしゃいます。今年、8万人以上になったそうです。高齢の方々は長い間生きてこられ、色々な経験をされています。身体は若い時と同じようではないかもしれません。記憶ももしかしたら正確でないかもしれません。しかし、色々な思い出をもっておられ、昔のことをたくさん知っていらっしゃいます。豊かな知恵をもっていらっしゃいます。

bosyu050 (2).jpg では、マリア様がおばあさまになられたときには、どうなったのでしょうか?私たちの大好きな「感ずべき御母」のマリア様は若いときの姿です。イエスのお母さまになる前の姿で、セカンドステージの皆さんと同じくらいの年齢かもしれません。「感ずべき御母」はとても美しい絵です。この絵のマリア様は、ゆりの花が表すきれいな心をもって、足下の本を使ってたくさん勉強もして、糸紡ぎの仕事もします。糸紡ぎの仕事は、まず糸を紡いで作ってから、布を織る仕事に続きます。機織りの仕事は手間がかかります。図工で織物の作品を作った方たちは知っているでしょう。まず縦糸をはって、そこに横糸を少しずつかけていきます。時間がかかります。布を織るのは大変な仕事でした。今は機械でどんどん布を織ってしまいますが、手織りの布は時間をかけて毎日少しずつ織り上げていきます。

 ポーリーヌ・ペルドゥローは「感ずべき御母」がおばあさまになってからの姿を想像して、1枚の絵を描いています。その絵を見てみると、おばあさまになったマリア様が座っています。服装も絵の全体もとても地味な色合いです。ゆりの花は片づけられて、花瓶だけがおいてあります。本も片づけられています。糸紡ぎの仕事ももう終わって、何もついていない棒だけが後ろの方に片づけられています。マリア様は手にはさみをもって、糸を切ろうとしています。足下には織りあがった布が巻き取られています。マリア様は布が完成したので、最後の糸を切ろうとしているのです。マリア様は毎日少しずつ長いあいだ織物を織って、おばあさまになった今、そのお仕事も終わろうとしています。マリア様は長い人生のあいだに、何を見ていらしたのでしょう。どんなことを知って、どんなことを考えられたのでしょう。どんなことをお祈りされたのでしょう。

 来週の月曜日の敬老の日には、おじいさまやおばあさま、高齢の方々にお話を聞いてみてください。実際にお会いできなくても、色々な方法があるでしょう。どんなお話が聞けるでしょうか。ご高齢の方と過ごす大切な一日としてください。

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