校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

7月8日 初等科朝礼 天国に一人で行ってはいけません

2020.07.08

この春、新型コロナウィルス感染症による非常事態宣言の下で学校を含め様々な施設・催しが休止となっていた間、カトリック教会でも公開ミサは休止となっていました。共に祈ることを大切にしてきたカトリック信徒にとり、ミサ参加できないことは大きなできごとでしたが、6月に入り、教会も慎重に活動を再開しようとしています。

 今週も初等科は1日おきの分散登校、中高等科は学年を限って分散登校をしています。8日から3日間は、高等科生は登校して中間試験を受け、中等科生は自宅でオンライン授業を受けています。まだ変則的な形態ですが、九州地方を始めとする水害の被災地に思いを馳せ、学校生活を継続できることを感謝して過ごしています。

~~児童への話~~

 この春、新型コロナウィルス感染症の流行防止ために学校はお休みとなり、色々なところもお休みとなりました。カトリック教会のミサもお休みとなってしまい、日曜日の朝には動画配信されるミサで祈りました。6月になってから少しずつ、教会のミサも再開し始めています。教会では、日曜日のミサのときに「聖書と典礼」という8ページのしおりをもらうことができます。これには、その日にミサの中で読まれる聖書の箇所やその説明、祈りが書いてあり、それを見ながらミサに参加することができます。時々、後ろのページには色々な方の書いた文章が載っています。神父様やシスター、色々な活動をしている方の文章で、ミサの後で読むと心に残る内容のものです。

 7月5日の日曜日のしおりには、「天国に一人で行ってはいけません」という題の文章が載っていました。この言葉、どこかで聞いたことがありませんか?これは、もちろん、聖マグダレナ・ソフィアの言葉です。その文章は卒業生によって書かれたものでした。この方はファミリーホームの活動をして、里親になっています。里親とは、病気や事故によってお父さん、お母さんが亡くなるなど、色々な理由でお父さん、お母さんと一緒に暮らせない子どもを引き受けて、家族として一緒に生活しながら育てる親の役目のことです。今は3歳から10歳の子ども6人が家にいるそうです。幼稚園に行っている子どもも、小学校に行っている子どももいることになります。6人もいると大家族です。一人のお母さんだけではちょっと大変かもしれません。助けてくれる人もきっといて、みんなで大きな家族になっているでしょう。子どもが6人もいるとけんかをすることがあるかもしれません。でも、楽しいこともきっとたくさんあるでしょう。がまんしたり、何かを分けなければならないこともあるかもしれません。でも、一人より、2人、さらに6人、と楽しいことも増えていくでしょう。

 聖マグダレナ・ソフィアの「天国に一人で行ってはいけません」という言葉の意味は、自分一人だけよい子、良い人になってもつまりません。神様のいらっしゃるところを天国と呼ぶなら、そこへは一人ではなく、たくさんの人と一緒に行くようにしなさい、という意味です。ファミリーホームの卒業生は、聖心で「天国に一人で行ってはいけません」と初等科の時から言われてきたことが、たくさんの子どもたちを育てる今の仕事ににつながっていると感じているそうです。

 新型コロナウィルス感染症に気をつけながら生活することになって、私たちには今、一人ではできないことが増えました。新型コロナウィルス感染症が広がらないようにすることは、一人ではできません。皆が一人ひとり協力しないと、感染防止は一人ではできません。学校でも3つの「あ」を皆で守っているように、今は電車やバスに乗る人が皆、車内でお話をしないで沈黙で過ごしています。皆で協力して感染症が拡がらないようにしています。初等科ではこれまでも電車やバスの車内では沈黙で過ごしてきましたが、今は乗っている人が皆、感染防止のために静かに乗車しています。だから、これまでよりももっと気をつけて、車内では静かに過ごしましょう。皆でお互いに気をつけて、お互いの健康を守ります。これは一人ではできません。聖マグダレナ・ソフィアの言葉の意味を考えて、実行しましょう。

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