校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

5月15日おもしろい本を読みましょう(58)シャーロット・ゾロトウ「おばあちゃんとわたし」

2020.05.15

 今日の本も1・2年生の本のコーナーにあるものです。小さな本ですが、やさしい心の伝わる本です。上の写真は英語の本ですが、学校にある本は日本語です。

 皆さんのおじいさま、おばあさまは皆さんと一緒に住んでいらっしゃいますか?それとも、別のところに住んでいらっしゃいますか?別のところに住んでいらっしゃるとすると、今はお会いすることがなかなかできないかもしれません。電話や映像でお話ししているかもしれません。もし皆さんがおじいさま、おばあさまとお会いしたときは、どのようなことをしたり、どのようなお話をしたりするのでしょうか。私はおじいさま、おばあさまから昔の話を聞くのがとてもおもしろいと思いました。

 この本に出てくるおばあちゃんは、近所に一人で住んでいるおばあさんです。年をとった人なのでおばあちゃんですが、家族のおばあさまではないようです。名前は書かれていません。ただおばあちゃんと呼ばれています。近所に住んでいるので、毎日出会っているようですが、あまり良くは知りません。でも、わかっていることは、そのおばあちゃんがとてもやさしくて、親切で、あたたかい人だということです。

 もし、このようなおばあさんが近所に住んでいたら、今のように、コロナウィルスによって人と出会うことが制限されている場合はどうなるのでしょうか。会いに行ったりすることはできないかもしれません。おしゃべりはしないかもしれません。でも、一人で住んでいる方だから、お元気かしらと心配になって、姿を見かけたら安心するかもしれません。もしかしたら、黙ってにっこりあいさつするかもしれません。

 この本の英語の題名は I Know a Lady. です。これをそのまま日本語にすれば、「わたしはあの女の人を知っています」となります。あまり良くは知らないけれど、知っています、という感じがします。実は、主人公のわたしがこのおばあちゃんについてもっと知りたいな、と思うところでこの本は終わります。これから先、わたしはきっとこのおばあちゃんとたくさんお話をするのだろう、どんなお話をするのかしら、と想像がいっぱいになるところでこの本は終わります。このおばあちゃんには長生きしてほしい、そんな気持ちがする本です。

シャーロット・ゾロトフ作 掛川恭子訳 「おばあちゃんとわたし」 あかね書房 1986年

 

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