校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

5月13日おもしろい本を読みましょう(56)ドメニコ・スキラーチェ「『これから』の時代(とき)を生きる君たちへ」

2020.05.13

 今日の本は5月15日に出版されたばかりの新しい本です。イタリアのミラノにあるヴォルタ高校の校長先生から生徒へのメッセージです。イタリアではミラノを含む国の北部で新型コロナウィルス感染症の大流行がありました。非常に緊迫した状況の中で、外出禁止令が出され、学校も休校となりました。北イタリアの窮状については皆さんも報道で目にしたことでしょう。

 スキラーチェ校長先生は学校が休校になる意味を生徒に明確に伝え、生徒が正しい認識をもって生活するように呼びかけています。急な変化の時に遭遇した生徒たちの強さを信頼し、思いやる心が伝わる言葉です。それが色々な人にも伝わって、日本でも本として出版されることになりました。

 この本の言葉には希望が強く感じられます。同じく校長の立場にある者として、力のある言葉を語られるこの先生に敬意を表します。たとえば、このような言葉があります。

 「最悪の経験からも、得られることはあるものです。・・・この痛みはいつか、皆さんの財産になるでしょう。」

 「隔離された孤独な時間も、いつかは終わります。それは確かです。この時間を自分自身について、人生について考える大切な時間にできるのです。」

 「この危機を乗り越えたとき、皆さんはきっと変わっていることでしょう。よい方向に変わることができるかもしれません。」

希望などのような時にも、生きる意味を見つけようとするところに生まれます。スキラーチェ校長の言葉から、この危機の時を乗り越える力を得て、自分にとってのこの日々の意味を考えてほしいと思います。美しい写真もきっと力づけてくれるでしょう。

ドメニコ・スキラーチェ 「『これから』の時代(とき)を生きる君たちへ」 世界文化社 2020年

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