校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

5月1日おもしろい本を読みましょう(49)高橋真樹「ご当地電力はじめました!」

2020.05.01

 5月になりましたが、残念ながら学校はもう一ヶ月休校を続けることになりました。まだ登校できないことになり、がっかりしているかもしれませんが、一方で今の状況では登校することはむずかしいとも感じていることでしょう。非常事態宣言も延長されることになりそうです。Stay home. を忍耐強く続けて、登校できる日を待ちましょう。今はできることに楽しく取り組みましょう。

 今日、紹介する本ではタイトルにある「ご当地電力」として、日本各地で行われている住民参加による再生可能な電力開発の取り組み例を取り上げています。小規模なものも含めて、それぞれに独自の考え方があって運営されていることがわかります。私たちはいま外出を控える生活の中で、家でかなり電力に頼る生活をしています。オンラインで活動するには電力が欠かせません。スィッチを入れるだけ、コンセントをつなぐだけで使うことができる便利な電気ですが、電気がどのように作られているのか日頃あまり考えていないかもしれません。

 東日本大震災による福島第一原発の事故、環境問題、地球温暖化問題などから、今の日本の電力のあり方に疑問が出されることも多くなっています。日本では火力発電が主流ですが、ご当地電力では、再生可能エネルギーとして風力発電や太陽光パネル発電などに取り組んでいます。海外で進んでいる成功例もあります。この本には中高生にもわかりやすく、電力についての様々な取り組みが書かれています。

 2016年から日本の電力の制度が変わり、電力は自由化されました。今は電力会社を選ぶことができるようになっています。価格やエネルギーの種類、どのように作られた電力であるかを消費者が考えて選ぶことができるようになりました。皆さんの家でも、もしかすると電力会社を選んでいるかもしれません。SDGsへの取り組みを学校としても進める中、私たちができる一つのこととして、この5月から再生可能エネルギーを取り扱う電力会社を選ぶことにしました。世界の一員として、SDGsを一歩でも進めたいという思いが一つかないました。

 新型コロナウィルス感染症は世界にとって新しい現象ですが、地球全体の生態系のバランスの中で生じているできごとです。このときに、身近な電気について考えてみることは意味あることではないでしょうか。

 高橋真樹 「ご当地電力はじめました!」 岩波ジュニア新書 2015年

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