校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

4月21日おもしろい本を読みましょう(42)くさばよしみ編 「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」

2020.04.21

 時々いただくお便りを見ると、パーシージャクソンが人気のようです。たくさんの方が楽しんでくださって、うれしく思っています。皆さんは今、どのようにして本を手に入れているのでしょうか。書店はこのたびの休業要請には含まれていませんが、外出を控えている皆さんは自由に書店に行くこともできないでしょう。インターネット注文を利用している方もあるかもしれません。電子書籍を利用という方もあるかもしれません。インターネットには学びを助けるたくさんの動画もありますが、本を読む時間もぜひ作ってください。

 今日、紹介する本はファーストステージの方なら家の方と一緒に読むと、絵を見ながら楽しむことができるでしょう。この本に登場する「世界でいちばん貧しい大統領」とは、ウルグアイという南米の国の大統領だったホセ・ムヒカという人のことです。2010年から2014年に大統領として務め、もうすでに任期を終えて、今は引退しています。つい最近にはこの方についての映画がありました。今でも、この方のスピーチや生き方は人々に大事にされているのです。

 ウルグアイを地図で見てみましょう。南米の南の方に位置し、あまり大きな国ではありません。しかし、自然が豊かな国です。ムヒカ大統領はある国際会議で有名なスピーチをします。国際会議では世界中の国が集まって問題について考えますが、小さな国の参加者の意見は残念ながらあまり注目されないこともあります。小さな国で、「貧しい」国だったら、意見の声はあまり届かないこともあります。「豊か」ということが良いことと考えられているからです。でも、「豊か」とはどういうことなのでしょうか?お金がたくさんあること?経済的に発展していること?大きな都市があること?ムヒカ大統領は本当の豊かさについて、会議に参加していた人々が驚くような発言をしました。多くの人が見逃していた、本当に大事なことを考えさせるスピーチでした。

 新型コロナウィルス感染症のために今は世界中が苦しんでいます。これまで普通と思っていたことが、できなくなっています。とても残念なことがたくさんあります。これまで普通と思っていたことが本当は普通でなかった、という大事さに気づくこともあれば、普通に大事だと思いこんでいたけれど、なくても良いことだったと気づく、ということもあるかもしれません。これから地球はどのようになっていくのか、地球の中で人間はどのように生きて行けば良いのか、考えなくてはならない時となっています。くさばよしみ世界でいちばん貧しい大統領からきみへ.jpg

 ムヒカ元大統領のスピーチは少し前のものですが、地球のこれからを考えなければならない今、改めて考えてみる意味があります。絵本のように子ども向けにわかりやすく書いてあります。「世界でいちばん貧しい大統領からきみへ」という本は、ムヒカ氏の考え方がもう一歩深く、語るように書かれています。こちらもわかりやすい本です。

くさばよしみ編 「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」汐文社 

くさばよしみ編 「世界でいちばん貧しい大統領からきみへ」汐文社

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