校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

3月16日おもしろい本を読みましょう(12)バード・ベイラー著 ピーター・パーナル画「すべてのひとに石がひつよう」

2020.03.16

 何人かの方から手紙をいただきました。とてもうれしく読みました。ありがとうございます。勉強したり、本を読んだり、工夫して過ごしていることがわかりました。今の学年の復習をしっかりやって、次の学年の予習に取りかかろうという方もいます。賢い時間の使い方です。学校ではできないことにぜひチャレンジしてください。

 今日は前庭でチューリップが並んで咲いているのを見つけました。土曜日・日曜日は寒かったので気づきませんでしたが、今日の午後には暖かい日差しの中でかわいらしく咲いていました。桜もきっとたくさん咲いたと思います。桃の花は満開です。皆さんの家の庭や近所でも、桜や色々な花を見つけることができるでしょう。外に出て、自然に触れる機会もぜひ大切にしてください。

 今日紹介する本は少し不思議な本です。絵本ですが、セカンドステージ以上の方にふさわしいかもしれません。ファーストステージの皆さんでも、絵を楽しむことはできます。

 皆さんは海岸や川の岸辺で石を集めたくなることがありませんか?きれいな縞模様のある石や珍しい色の石、すべすべした石やごつごつした石、角張った石や丸い石、色々なものを見つけることができます。つい夢中になってたくさん集めてしまい、重さに気づいて、残念だけれど置いて帰る、ということがありませんか?石には見つける場所によって色々な特徴があるので、訪れた場所の思い出になることもあります。いくつかの石が私の部屋には飾ってあります。ただの石に見えるかもしれませんが、私には大事な石です。

 この本は、すべての人に石が必要、と言っています。表紙の絵を見ると、女の子の頭の上と足の先に石があるようです。そして、絵の全体も石の形にも見えます。この本は石をとても大切にしています。でも、石がなぜ必要なのでしょうか。この本がすすめるのは、友だちの石を持つことです。そして、自分にふさわしい石を見つけるための10のルールが書かれています。不思議なルールです。

 それぞれのページには自然の風景が描かれています。よく見ると、何かの生き物が発見できます。良く見ないとわかりません。そして、この本の絵には白い部分があるのも独特です。その「余白」の部分に何があるのか、想像する楽しみもあります。石と友だちになるって、どういうことなのだろう。考えてみてください。きっと1度読んだだけではわからないと感じるでしょう。絵をじっくり見て、何回か読み返してみてください。1回目に読んだときにすぐにわかろうとせず、しばらく時間を置いておいて、他の本を読んだりしてから、改めて読んでみると何か気づけるものがあるかもしれません。石が必要な理由はこういうことか!と自分なりに答えを見つけるまで、時間がかかるかもしれません。それまで、あわてずにこの本とおつき合いしてみてください。長く手元において、くり返し読んだり、見たりするのにふさわしい本です。

 この本の知恵は北アメリカの先住民のものです。自然を大切に生きている人々の知恵です。石が必要な意味がわかった人は教えてください。お待ちしています。そして、皆さんも自分の石を見つけてください。

 バード・ベイラー著 ピーター・パーナル画 北山耕平訳 「すべてのひとに石がひつよう」 河出書房新社 1994/2017 

 

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