校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

3月10日 おもしろい本を読みましょう(7)原田マハ「風神雷神 Juppiter, Aeolus」上下

2020.03.10

 今日は雨になりましたが、暖かく、春が間近まで来ていることを感じさせられます。花粉アレルギーのある方は、雨の日は少しほっとして過ごしているかもしれません。校庭の草木も春を待っています。

 3月8日は世界女性の日でした。新聞にはいろいろな特集記事がありました。中高等科の皆さんは気づきましたか?家に先週の新聞がまだ置いてあるなら、先週の金曜日くらいからの新聞を見てみましょう。どのような女性に関する記事が見つかるでしょうか。朝日新聞には「Dear Girls」という記事が色々な紙面に毎日出ています。様々な角度から女性、女子の活動を取材しています。意識をもって活動している他校の女子についてもぜひ知ってください。私たちにこれから何ができるでしょうか。初等科生の皆さんは、世界女性の日はどのような日なのか調べてみましょう。世界には色々な生活をしている女の子たちがいることがきっとわかります。

 今日紹介する本は中高生向けです。3月6日に紹介したパーシー・ジャクソンの本はギリシア神話と現代が交錯する物語でしたが、今日の本ではローマ神話が日本文化に出遭います。表題の「風神雷神」は江戸時代初期の画家とされる俵屋宗達の代表作で、この本の表紙の写真にもなっています。そして、風神雷神は、ローマ神話ではアイオルスとユピテルに相当する神々ととらえることもできます。では、日本文化とローマ文化がいったいどのように関わるのでしょうか。俵屋宗達に深い関心をもつ主人公、博物館の女性学芸員が、読者を思いがけない世界に導いてくれます。俵屋宗達の生きた時代は、西洋文化やキリスト教が日本に到来した時代であったことを心にとめておきましょう。そして、日本を世界へと知らしめた人物たちの存在もあったことを。

 歴史小説が好きな人、美術に関心がある人に薦めます。日本と西洋の出遭いの壮大な物語です。巧みなしかけで、時空を越えた物語世界に読者を引き込みます。

 原田マハ 「風神雷神 Juppiter, Aeolus 上下」 PHP 2019年

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