校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

3月6日 おもしろい本を読みましょう(4)リック・リオーダン 「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々(1)盗まれた雷撃」

2020.03.06

 金曜日を迎えました。どんな一週間だったでしょうか。初等科生からお便りをもらいました。早く流行が収まるようにお祈りしたり、自分の考えをしっかりもち、それを文章に書いたりして生活しようとしているようです。がんばってみようと思うことをぜひ見つけてください。Inkedイラスト1001_LI.jpg

 今日紹介する本はセカンドステージ向けです。皆さんはギリシア神話を読んだことがありますか?いろいろな国の古い物語にはさまざまな神さまが登場します。日本にも「古事記」や「日本書紀」を見ると、「天照大神」、大国主命」など色々な神の名を見ることができます。神々は時には人間界と関わりを持つこともあります。国の成り立ちの伝説と関わっていることもあります。複数の神々が存在するのは、キリスト教とは全く異なる世界観です。

 ギリシア神話は不思議なもので、キリスト教より古い文化の伝統として、キリスト教の文化の中にも、色々な形で入っています。たとえば、美の女神、自由の女神などは、キリスト教には存在しないものですが、西欧の文化の中には広く受け入れられていて、絵画や文学のテーマになったり、良く見てみるとシンボルとして日常生活のいろいろなデザインにも取り入れられています。その意味では、ギリシア神話は現代の西欧文化の中にいまだ「生きて」います。

 今回の主人公パーシーはアメリカに住む中学生です。学校生活になかなかなじめず、トラブルも多い生徒です。お母さんと2人の家庭で生活しています。ある日、学校で変なできごとに出遭い、それに巻き込まれていくうちに、自分について大変なことがわかります。ギリシア神話では、神々が人間界に降りてきて、人間と恋に陥ることもあります。パーシーの父はギリシア神話の神々の一人だったと言うのです。つまり、パーシーは人間と神の間の子ども。だからパーシーは普通ではない、いつも変なトラブルに巻き込まれる。ここからパーシーの冒険が始まります。

 とにかくおもしろい。現代のアメリカを舞台にギリシア神話の世界が繰り広げられます。ギリシア神話が現代に「生きて」いるとは、こういうことか!と、この本を読むとギリシア神話の世界が身近に感じられます。キリスト教の神とはまったく異なる神の姿に驚かされます。

 パーシーが冒険を通して自分を発見していくストーリーは波瀾万丈、痛快です。この本はシリーズになっており、続きがきっと読みたくなります。そして、映画にもなりましたので、映画を知っている方もあるかもしれません。原作を英語で読むのも楽しめます。少なくとも、映画を見る場合は、吹き替え版でないものを選びましょう。

リック・リオーダン 金原瑞人訳 「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々(1)盗まれた雷撃」 静山社 ペガサス文庫

Rick Riordan Percy Jackson and the Olympians: The Lightening Thief

 

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