校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

3月5日 おもしろい本を読みましょう(3)         「ミオよわたしのミオ」

2020.03.05

 元気に過ごしていますか?今日はお天気が良く、春らしい明るい日となりました。校庭の白いモクレンが大きな花を開き始めています。白モクレン.JPG今日紹介する本は初等科生向けです。

 「長くつ下のピッピ」を楽しんで、もう読み終わったという方にリンドグレーンの次の作品「ミオよわたしのミオ」をおすすめします。この本は「長くつ下のピッピ」ととてもちがった雰囲気の本です。静かな、遠い国でくり広げられる少年ミオの冒険の物語です。

 主人公のミオは、始めは不幸せなみなしごでした。しかし、思いがけないことから別世界に行き、そこでお父さんに出会います。お父さんはなんとその国の王様で、ミオは王子様だったのです。ミオはお父さんに大切にされていることを知り、とても幸せになります。友だちにも、すてきな馬にも出会って、うれしいことばかりです。しかし、その国には不思議な悲しみがあり、人々がたいへん恐れていることがありました。ミオは自分の楽しい生活を捨てて、その悲しみと恐れと立ち向かうために出かけます。

 ミオの国はとても不思議な国です。ミオの冒険はピッピの冒険とだいぶちがいます。でも、ミオとピッピには共通点もあります。それは、お父さんが大切にしてくれているということをミオもピッピも信じていること。お父さんが大切にしてくれているから、ミオもピッピも冒険に出ることができます。自分で決めて、行動することができます。ミオもピッピも友だちを大切にしています。そして、お父さんが自分を大切にしてくれるから、友だちを大切にするから、自分にはやらなければならないことがあると考えているようです。

 ミオの国の静かな美しさを味わってみてください。ミオはほんとうに大切なことは何か、ほんとうにうれしいということはどのようなことか、私たちに伝えてくれます。

リンドグレーン作 大塚勇三訳 「ミオよわたしのミオ」 岩波少年文庫

 

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