校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

11月第4週朝礼  教皇フランシスコの来日に向けて

2019.11.23

 教皇フランシスコの来日が近づいています。11月23日から26日という短期間に長崎、広島を訪問され、25日には東京でも大きなミサが予定されています。新聞やテレビでも毎日のように報道されています。教皇がこの訪問に先立って発表されたビデオメッセージを取り上げ、児童・生徒と共に考えました。このメッセージはYoutubeでも「教皇フランシスコ」と検索すると見ることができます。

 今回の来日のテーマは「すべてのいのちを守るため」とされています。教皇フランシスコが今回の訪問にあたって、私たちに向けて発表したビデオメッセージではどのようなことを言っているのでしょうか。来日にあたって、どのようなことを期待されているのでしょうか。今回選ばれた「すべてのいのちを守るため」というテーマは、「あらゆる人の価値と尊厳を守る」という強い思いであり、世界ではいま平和的に共に生きることが難しくなっている状況であることを考えると、より一層大切だと教皇は感じていらっしゃるようです。

 メッセージには3つのポイントがあります。まず、平和について、日本は戦争の苦しみをよく知っている国ですと呼びかけています。長崎、広島という2つの都市を訪問されることからもわかるように、教皇フランシスコは日本が被爆した国であることを深く心にとめています。核兵器の使用が二度と行われないように、「核兵器の使用は倫理に反します」としています。

 2つめのポイントとして、日本には対話の文化があることをあげています。長崎は日本のキリスト教に大切な場所です。教皇はそのことにも心を向けているでしょう。このメッセージでは異なる宗教の対話の大切さをあげています。今の日本で神道や仏教の伝統を大切にしながら、キリスト教や異なる宗教の人々が共に生活していることに注目しているのでしょう。対話は「隔てを乗り越える助け」になるものとして、平和を守ることの大切さも説いています。「平和は美しいもの」、それが「本当の平和」なら、「失うことのないよう、必死で守るべきもの」と力強い言葉で語っています。

 最後に日本の美しい自然にふれて、地球のいのちを育み、守ることの大切さを強調しています。私たちが大切にしている日本の自然の美しさから視野を広げて、地球全体のことを考えています。地球は私たちが「ともに住む家」であることを、教皇はこれまでも繰り返し説いています。

 教皇のメッセージは、日本訪問への期待と祈りに満ちています。日本の私たちとともに、私たちのために祈ってくださる教皇の思いが伝わります。教皇フランシスコが日本にいらしてどのような発言をなさるか、特にこれらの3つのポイントについてどのようなことを語られるのか注目し、期待をもって耳を傾けたいものです。

このページのトップへ
このページのトップへ