校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

10月24日 サードステージ朝礼  アマゾン特別シノドス 

2019.11.02

 11月下旬に教皇フランシスコが来日されます。11月26日に東京ドームで行われるミサには、本校からも信徒の生徒を中心に参加します。シノドスとはカトリック教会において、世界の司教が集まって行う世界代表司教会議のことです。10月6日からローマのバチカンにおいて、アマゾン特別シノドスが開かれました。教皇来日に向けて、シノドスを取り上げ、教皇フランシスコについて生徒と共に学びました。

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 10月6日からローマのバチカンで「アマゾン特別シノドス」開かれました。シノドスとは、カトリック教会の司教たちが集まる会議で、今回は南米の熱帯雨林の地域であるアマゾンがテーマに取り上げられました。アマゾンについてはこの夏に大きな森林火災があり、ニュースにも大きく取り上げられましたので、知っている方も多いでしょう。シノドスはカトリック教会の各地域の指導的立場にある司教たちが世界各地から集まる会議ですから、準備は1年以上前から始まります。ですから、このシノドスはこの夏の火災を受けて急遽行われたものではなく、ずっと以前からアマゾンについて教皇が問題意識を持っていたということになります。「ラウダート・シ」で教皇は地球環境の保全について訴えていましたから、うなづけることです。シノドスは教会の司教の会議としてミサで開会します。10月13日付けカトリック新聞に、このシノドスの開会ミサの様子が写真入りで紹介されました。アマゾン特別シノドス001.jpgミサでの司祭の服装の色が季節や行事によって変わることを知っていることでしょう。この開会ミサの写真では、司祭たちは全員緑色の祭服を着ています。熱帯雨林を擁するアマゾンについての会議にふさわしい色が選ばれ、写真は大変インパクトのあるものです。この会議には、先住民や女性たちも参加しており、南米の聖心会のシスターも参加しています。

 今回の会議では、次の3つの点、アマゾンに住む先住民の生活や文化の維持、熱帯雨林の環境保護、アマゾンにかかわる教会のあり方、これらが取り上げられています。まず先住民については、アマゾンの開発によって、そこに住む先住民の生活の場が失われ、文化が尊重されない現実があることが問題とされています。次いでアマゾンは世界の貴重な熱帯雨林ですから、環境保護の観点からもアマゾンの森林開発や森林火災は深刻な問題です。そして、カトリック教会はイエスに倣って活動してきたかどうか、教会としてその姿勢を問い直し、これまで通りのあり方ではなく、弱い立場の人々、先住民や女性に対しての関わり方を考え直していくとしています。つまり、周辺に追いやられている人々を中心に据えるあり方を求めて行くとしています。これから、教皇のリーダーシップがほんものとなれるかどうか問われます。会議がどのように進んでいくか注目されます。

 アマゾンの開発には、経済的発展をめざす大資本が関わっています。日本でSDGsを学んでいる私たちはアマゾンの森林火災を大変なできごとと捉え、一刻も早く沈静化してほしいと願いますが、日本の私たちにできることはそれだけでしょうか。私たちに問われていることが他にもあるでしょうか。私たちの周囲を見回したとき、熱帯雨林に由来するものはないのでしょうか。それとも何かあるでしょうか。私たちが日頃気づかないうちにも、アマゾンの熱帯雨林で産出されるものを私たちが消費していることはないでしょうか。私たちの日常生活が問われています。このシノドスのゆくえを追いながら、私たちの日常生活も振り返ってみたいと思います。

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