校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

10月16日・17日 感ずべき御母の祝日行事  

2019.10.22

 「感ずべき御母」は聖心の姉妹校どこででも大切にされているマリア像です。10月20日を正式な祝日としていますが、本校では16日・17日に各ステージ朝礼で祝日の祈りをしました。「感ずべき御母」は1844年にローマの当時のトリニタの聖心で描かれました。以来、聖心の生徒のマリア像として親しまれています。朝礼の祈りでは、絵を前にして集まり、各ステージで考えた祈りを共にし、感ずべき御母に向けた祈りを唱えます。毎年この行事を繰り返し行っても、「感ずべき御母」の絵はいつも新たなインスピレーションを与えてくれます。

~~**~~

 毎年この祝日にはじっくりとこの絵を眺めます。セカンドステージの出入り口にあたるブラウジングルームの壁には大きな絵があります。セカンドステージ生は祝日の日だけでなく、毎日毎日この絵を目にしています。この絵が訴えてくるものは何でしょうか。

 服装のピンク色はとても美しい色合いです。若々しく、とてもすてきなものに映ります。マリア様の傍らに描かれた3つのシンボル、百合の花、本、糸紡ぎは、魂、知性、実行力を示しています。

 この絵を見て、今回新たに強く印象づけられることは、マリアの表情の意味深さです。少しうつむいて、考えている様子に描かれています。何か心の中を確かめているのでしょうか。何かに耳を澄ませているのでしょうか。とても不思議な表情に見えます。心の中には何が見えているのでしょうか。年齢を重ねた女性なら、過去を振り返るのかもしれません。しかし、若々しいマリア様はこれからの未来を思っていることでしょう。

 マリアの傍らには3つのシンボルがあり、これから目指していくべきこと、やるべきことが示されています。しかし、マリア様は静かにすわっている姿で描かれています。これはきっと聖心で学ぶ生徒の姿を表しています。可能性に満ちて、これから、の姿。まだ、具体的には決まっていない状態。これから、次にするべき具体的なことに向かって、今まさに顔を上げて、立ち上がる、その前の姿。

 この絵の明るい雰囲気は、可能性と希望を表しています。マリア様はこれから次のことに踏み出していく静かな力に満ちています。児童・生徒の一人ひとりにも、これから開けていく可能性、たとえ困難があっても一生懸命努力して実現していく可能性があり、そして、必ず実現するという希望があります。

「感ずべき御母」は可能性と希望のマリア様です。マリア様は3つのシンボルで方向性を示してくださっています。感じたり、祈ったりすること、学ぶこと、考えること、そして働くことの大切さを示しています。心の中でそれらを実現する可能性と希望の力を感じ、味わっています。神さまにつながっているという安心感もあるでしょう。

 児童・生徒もこれからマリア様と同じように、一人ひとり自分の行動、するべきことを見つけ、立ち上がり、踏み出します。未来を思うとき、見える風景はどのようなものでしょうか。子どもは自分だけの世界や空想の世界を見ているかもしれません。しかし、年齢が上がるにつれ、学年が上がるにつれ、世界の現実が見えてきます。様々なメディアやITを通して、多様な情報を得ることができます。台風19号による被害を受けた被災地の様子も耳に入ってきます。今、何をするために立ち上がるように求められているのでしょうか。

 このマリア様は、児童・生徒の心の姿を映し出して、見せてくれています。今回の祝日では、この感ずべき御母に可能性と希望の恵みを願って祈ります。一人ひとりの心が明るい可能性と希望で満たされますようにと願って祈ります。マリア様と共に可能性と希望を祈り、これからこの絵を見るたびに、各自が神さまからいただいている可能性と希望を思い起こしていきます。

このページのトップへ
このページのトップへ