校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

セカンドステージ始業式・中等科入学式 4月8日

2019.04.13

 7年生の皆さん、中等科入学おめでとうございます。8年生の皆さんも進級おめでとうございます。

 7年生の皆さんを迎えるこの式を、今年はこの聖堂で8年生と一緒に行っています。例年はソフィア・バラホールで行ってきましたが、今年は改修工事のために聖堂としました。この歴史の深い聖堂で、8年生と一緒にセカンドステージとして7年生の皆さんをお迎えするのは意味深いことです。この聖堂では、多くの先輩たちがうれしい時や悲しい時、感謝や神さまへの願い、ふり返りの祈りを捧げてきました。この祈りの込められた場所で皆さんの新しい生活へのスタートを祝います。

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 7年生以上の中等科の生活は、皆さん一人ひとりがしっかり考えて進むことを求めています。セカンドステージとして連続していても、学習でも、生活でも、求められることは6年生の時と大きく異なります。8年生の皆さんは、昨年1年間でそのことを経験しました。自分で選ぶことができる事柄が増えてきます。しかし、自分で選ぶということは、その選択の結果を自分で引き受ける責任が生じるということです。自分で選ぶためには、よく考えなければなりません。そのためには、まずよく耳を澄ませて、人の話や説明を聴かなくてはなりません。自分らしく生活できる楽しさがありますが、人と同じで済ませることはできません。自分でしっかり考えることが求められます。

 今年はソフィア・バラホールの改修があり、例年と異なることもたくさんあります。不便もあるかもしれませんが、それをよいチャレンジとして受け止めるなら、これまでにない新しい発想で工夫が生じることもあるでしょう。今年の学校目標は「Be wise. Be creative. 自ら考える。工夫してアクションをおこす。」とします。"Wise"とは「賢い」という意味ですが、賢くなるためには自らしっかり考えることが大切です。人から聞いたこと、何かで読んだこと、新たに知った情報、それらを鵜呑みにしないで、自分の頭でしっかり意味を考えます。受身的に受け流してしまうのではなく、自分が知ったことを他人ごとでなく、自分にかかわりのあることとしてしっかり考えていきます。まずしっかり聞くことが基本となります。初等科で培ってきた聞く力を発揮して、その上で一人ひとりしっかり考えてください。"Wise"な人となることを期待しています。そして、その次にはアクションです。クリエィティブに工夫して、新しいアクションをおこしましょう。これは主体的な姿勢です。自分で考えなければ、アクションは起こせません。しかし、もし、やってみたいことを何もかもすべてやってみようとしたら、それは"wise"でないことがあるかもしれません。しっかり考えて、アクションをおこす。考える力と行動力の両方を皆さんが発揮する学校生活となることを期待しています。

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 昨年はSDGsについて意識を持つことができました。8年生は赤の学年ですから、SDGs第1の赤のシンボルカラーの課題の貧困問題に取り組んでください。7年生は黄色の学年となります。SDGsでは黄色のシンボルカラーで表される第7番目のクリーンエネルギーの問題を自分たちの課題として取り組んでいってください。5月の聖マグダレナ・ソフィアの祝日には、NHKで以前ニュースキャスターを務められ、今はSDGsについて活動されている国谷裕子さんをお招きして講演会をお願いしています。SDGsについてどのような話を聞くことができるか楽しみです。そして、学校でもSDGsについて、今年はアクションをおこしていく年にしたいと思います。私たちの学校では、7年生以上が利用できる飲み物の自動販売機でPETボトルの販売はせず、飲み物は自分のボトルに入れて持ってくることになっています。学校にはPETボトルを持ち込まないことをずっと以前の先輩たちが決めてくれて、それを続けてきました。プラスティックごみが問題になっているいま、私たちは新たな意識をもってPETボトルを学校に持って来ないことを続けたいと思います。そして、この他にも私たちが学校でできるSDGsのアクションを皆さんに考えてもらいたいと思います。

 スウェーデンに、グレタ・トゥンベリという名前の一人の女子高校生がいます。グレタは高校生として自分でできるSDGsを実行しています。気候変動に対して、温暖化対策を今すぐに実行するべきと考えて、毎月集会を行ってアピールしています。グレタの活動に賛同する人が増え、温暖化対策を訴える大きな力になっています。しっかり考えて、クリエィティブにアクションをおこせば、高校生でも、中学生でも、女子でも、世界を良い方向に変えていくことができます。この聖心からもSDGsの具体的なアクションをおこしましょう。SDGsの目標年は2030年です。そして、2030年を生きるのは、皆さん自身です。その時にどのような世界になっていてほしいですか?そのためにいましなければならないことは何でしょう?2030年の世界を作っていくのは皆さん自身です。

 皆さんがこれから取り組む学習はテストのためだけではありません。それぞれの教科で学ぶことは、皆さんが自分の頭でしっかり考え、世界をより良いものにしていくための力を身に着けるためのものです。世界を他人ごとでなく、自分に関わりのあることとして生きていくための力となるものです。いつも自分の頭でしっかり考えましょう。何ごとにも意味があります。それに気づくこと、見つけることができるように自分で考えましょう。

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 今年2019年は、学校創立から111年目です。1が3つつながる年になりました。歴史を重ねながら、学校の姿も変化していきます。7年生はiPadを授業で使います。9年生は今年度からノートパソコンを学校で使います。ソフィア・バラホールも改修工事となりますし、学校は新しい段階に入っていきます。学校の歴史を新たに心に刻んで、これから前に進んでいきましょう。

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