校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

カンボジア体験学習(4)

2018.07.28

7月26日の活動は、午前にトンレサップ湖の水上村の見学、午後はバイヨン中学校の訪問でした。

トンレサップ湖はカンボジア最大の湖で、雨季と乾季では湖の大きさが異なります。川が増水する雨期には、プノンペンで合流するメコン川からの水がトンレサップ川を逆流してくるため湖は拡大します。湖の周辺では、この湖の独特の動きを活かして人々は生活しています。水面が上がってくる雨季に備えて高床式の家が連なる地区があります。さらに、水上で船を家として生活している人々もいます。今回はヴェトナム人が多く住む水上村の生活を見学しました。土地を持たず船上で生活する人々には自由がありますが、水の確保など生活上の困難もあります。これまで主に漁業で生活してきた人々も環境汚染による漁獲量の減少や周辺の開発の流れの中で、観光業などへの転換を余儀なくされているようです。船着き場で説明を聞き、観光用の船に乗って見学しました。

水上村で説明を聞く.JPG

水上村見学.JPG水上村で船上で生きる人々の様々な生活の様子を見ることができました。水上村の人々の生活.JPG

水上村.JPG水上村の生活.JPG水上村の人々の生活2.JPG

私たちの船に近づいてくる一艘の小舟。親子が乗っています。乗り移ってきた少年は飲み物を売り始めました。物売りの親子.JPG

水上村では小学校も船上でした。水上村の小学校.JPGカトリック教会の船を訪問しました。司祭は日曜日のミサにだけ訪れるとのことで不在でしたが、祈りを捧げました。

水上村カトリック教会.JPG水上村カトリック教会2.JPG

水上村の先にはトンレサップ湖が広がっています。対岸が見えない海のような壮大さでした。
トンレサップ湖.JPG観光用に展望台を構える船もあります。そこに上がると周りの様子がよく見えました。観光用の展望台のある船.JPG水上村の様子.JPG

船上では養殖されているワニを見ることができるようになっており、驚かされました。ワニは食用肉として特にヴェトナム人に珍重されるとのこと。

水上村の船上でワニを見る.JPG

水上村の人々の生活は生き生きとして、たくましく見えました。しかし、抱える課題は様々に深刻です。船着き場付近では観光開発の動きも見られます。人々の生活がどのような方向に変化していくのか考えさせられました。

水上村付近の開発3.JPG水上村付近の開発2.JPG水上村付近の開発.JPG

午後はバイヨン中学校を訪問しました。前日に小学校を訪問していた中学生たちの学校です。バイヨン中学校は創立されて5年。農村部の子どもたちの教育の重要さを深く考える、チア・ノルさんの多大な支援により設立された学校です。バイヨン中玄関.JPG

農村の子どもたちの教育の向上の意識は校長先生の説明からも強く伝わってきました。農村の子どもたちのための学校づくりに使命感をもった校長先生のもと、生徒たちも生き生きと学校生活を楽しんでいるようでした。校長先生の更なる夢は高校併設とのことでした。せっかく中学校を卒業した生徒たちに、高校卒業を叶えてやりたいとの思いからです。校長先生に出会う.JPG

ココナツカレーの昼食をいただいて、校長先生の説明を聞き、交流を行いました。バイヨン中の生徒たち.JPGバイヨン中演奏.JPGバイヨン中学校では日本を始めとする各地からの様々な支援を受けて、施設の充実に加えて、体育や運動会、文化祭など他の中学校にはない取り組みも行われています。毎年、日本の関西学院大学の学生のインターンシップを受け入れており、音楽や日本語の授業も行われています。ピアニカの演奏と日本語の歌を披露してくれました。伝統的なダンスの発表もありました。バイヨン中ダンス.JPG聖心の生徒はビンゴゲームを行いました。賞品も用意してあったので楽しんでもらえたようです。バイヨン中ビンゴ.JPGビンゴゲーム.JPG

バイヨン中生徒.JPGバイヨン中生徒の様子教室.JPGビンゴの後は外で遊びました。まずカンボジアの伝統的な遊びである鍋割りゲーム。日本のスイカ割りの要領で、高くつるした素焼きの鍋を目隠しされた「鬼」が割りにいきます。割るとベビーパウダーのような粉が降ってきます。それぞれの「鬼」に向けて大声援が送られました。バイヨン中鍋割りゲーム.JPGバイヨン中生徒の様子.JPGその後には、日本から用意した「ムカデ競争」を楽しみました。「ムカデ競争」は東京聖心の運動会の種目のひとつで、4名が縦に並んで足首を結び、ムカデのような恰好で息を合わせて前進します。バイヨン中対聖心、バイヨン中女子対男子、バイヨン中女性の先生対男性の先生、混合チームの対決など、様々な組み合わせで盛り上がりました。最後にバイヨン中の女子によるダンスもありました。黒いTシャツに黒いパンツというおしゃれな集団でした。バイヨン中集合写真.JPG

この日もまた出会いに恵まれ、多くを学んだ一日となりました。夜には、最終日を前にして、これまで感じたり、学んだりしたことの中から、これからも大事にしていきたいことについて分かち合いました。一人ひとり心にある思いを言葉にしました。毎日、消化しきれないほど多くのことを体験してきた中、少しずつ各自の考えが深まってきました。

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