校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

4月第3週の朝礼 ウガンダの聖心姉妹校での「世界女性の日」

2018.05.07

聖心会ウガンダ・ケニア管区からのニュースレターに、ウガンダのキャムサンサラの聖心小学校での「世界女性の日」の活動報告がありました。3月8日は国連により「世界女性の日」に定められています。本校では3月の学年末にあたり、児童・生徒に向けて発信する機会を得ることがむずかしい残念な時期です。ひと月遅れにはなりましたが、ウガンダの聖心の取り組みを朝礼で伝え、児童・生徒と共に考えました。

この日、キャムサンサラ小学校ではミサを行い、神により女性として創られた恵みを感謝して祈っています。旧約聖書に登場する女性たち、イエスの母マリアの恵みに感謝し、そして身の回りの女性たちにも、生きる姿や教えによって女子としての可能性を存分に生きるように導いてくれたことに感謝しています。女子としての恵みは、お互いに支え合う感性、エンパワメントの力、ゆるぎないものとしています。ミサの後には、子どもたちによる活動もあり、箒を持って掃除する母親と子どもに扮して、劇形式で女性の役割について発表しています。

国により、文化により、女子の教育に対する考え方も様々です。ウガンダの家庭では、母親はどのような状況におかれているのでしょうか。聖心小学校で子どもたちを学ばせている母親たちの中には、子ども時代に教育の機会に恵まれなかった女性もあるかもしれません。

聖心で人格全体にわたる教育を受けたからには、女子だからと制約を受けたりせず、のびのびと、生き生きと生きていきたい。この報告からは、女子として生まれ、生きることについて、聖心の女子校から発信する力強いメッセージが伝わります。

パスカル・ブリッソン監督によって2012年にフランスで製作されたドキュメンタリー映画に「世界の果ての通学路」があります。その中では、ケニア、アルゼンチン、インド、モロッコで子どもたちが通学する姿が記録されています。ケニアの草原に住む小学生の兄妹は、毎日片道15㎞を2時間かけて歩いたり、走ったりしながら通学しています。モロッコではアトラス山脈の山村に住む中学生の少女たちが、毎週月曜日の朝22㎞を4時間かけて歩いて学校に行き、寄宿舎で生活して金曜日になると帰宅します。これらの子どもたちは、通学の困難にもかかわらず、学校で学ぶことの意味を深く理解し、学校に行くことをためらう周りの子どもたち、女子に向けて、学校に行くように勧め、説得しています。これらの子どもたちが通学する姿には心を打たれます。そして、教育がもつ力も再認識させられます。この映画はDVDになっています。

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社会状況の変化の中で教育についての認識も変化し、今の子どもたちには教育を受けることによって様々な、より大きな可能性が開かれていきます。世界各地の子どもたちが、教育を受けて自分の力を開花させ、変容していきます。聖心の学校では、女子として生きることに誇りを育て、恵まれた可能性を存分に開花させていきます。世界で様々な状況におかれている子どもたち、女子と共に生きる姿勢も育みます。

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