校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

高等科修了式 3月15日

2018.03.22

11年生・12年生対象に聖堂で行いました。始業式・修了式では聖書が朗読されます。今回の朗読箇所は「エフェソの信徒への手紙」3章16節から19節でした。

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学年末を迎え、この1年間を神さまが見守ってくださったことを感謝いたしましょう。この1年間に色々な学びと達成、出会いや成果があったことでしょう。

今年度の学校目標 Build communities. +Generosity をどのように生きてきたでしょうか。どのようなコミュニティを作ってきましたか。クラスで、学年で、クラブ活動で、そして学校として、どのような関わりを築いてきたでしょうか。やさしい心・ひろい心のある関わりや、違いを受け入れる大きさのある共同体や、人の弱さを退けない関わりであったら良かったと思います。

そして、目を世界に向けて、グローバルな視野でもコミュニティを築くことを考えましょう。高等科の卒業式でお話しし、今年度の学校誌「塔」にも書きましたが、国連が提唱している「SDG's 持続可能な発展のための2030アジェンダ」に示されている世界の17の課題ついて意識を持ちたいと思います。聖心生に求められるグローバルマインドは世界の人々と共に生きる姿勢を目指し、これは世界の課題に共に取り組む姿勢でもあります。SDG'sの17の課題は17色のシンボルカラーで示されています。卒業した赤の学年にはSDG'sの課題1、赤のシンボルカラーで表される「貧困問題」を託しましたから、黄色の学年11年生には黄色の課題「エネルギー問題」、ピンクの学年10年生にはピンク色の課題「不平等をなくす」とします。自分たちのテーマとして考え続けていってください。

今年2018年は聖フィリピン・デュシェーンの記念の年です。聖フィリピン・デュシェーンが1818年にアメリカに渡ってから200年となりました。フィリピンは聖心の教育をアメリカにもたらし、イエスのみこころをアメリカ先住民に伝えたことによって、聖心のコミュニティを拡げました。イエスのみこころを先住民に伝えるということはフィリピンの夢であり憧れでしたが、実際には、予想もしなかったような困難に出遭いました。アメリカの開拓地の生活は、パリの聖心の立派な建物での生活とは異なり、木造の小さな家から始まりましたし、先住民は社会の中で追いやられ、差別されている立場にあり、文化の違いのために野蛮な人々というレッテルをはられている人々でした。先住民は住み慣れた土地を追われて、不便な、人の住まないところでの生活を強いられていました。先住民たちは苦しんでいる人々であり、悲しみや痛みを抱えている人々でした。フィリピンはそのような人々と共に生活したいとずっと願い続けていたのです。フィリピンは困難にある人々、弱さを抱えている人々とコミュニティを作りました。そのようなフィリピンから、私たちは呼びかけられています。誰と、どのようなコミュニティを作りましたか?これをふり返りのテーマとしてください。

学年末の3月は、自分の課題と向き合う時です。自分の中にも弱さや痛みがあるでしょう。困難なこと、いやだなあ、むずかしいと感じていることもあるかもしれません。

今日、朗読された聖書の箇所は、キリストの愛の広さ、長さ、深さ、高さを体験するようにと語っています。皆さんも自分のまわりに大きなスペースを想像してみましょう。キリストの愛がひとり一人を温かく包んでいます。その中に自分がいるということを知ってほしい、キリストの愛に根ざしてしっかり立ってほしいということがこの箇所のメッセージです。私たちは、まわり四方から愛を注がれ、満たされています。私たちはみな、キリストのコミュニティの一員として愛に満たされています。

四旬節が始まるときに、ふり返りの正直さが大切であることを皆さんにお話ししました。弱さのある自分を認めて、キリストの愛のうちにとどまってください。それは、自分と仲良くすることでもあるでしょう。通知表を受けて、学習の課題に直面している人もいるでしょう。勇気をもって進んでください。努力を続けてください。キリストの愛は、イエスの十字架を通して、私たちに与えられるものです。イエスはご自分のいのちを捧げ、死を通して、神の新たないのちにあずかって、愛を注がれます。

4月1日はイエスの復活の祝日です。教会で典礼に参加して、恵みにあずかってください。学校でも4月1日には朝9時からミサを行います。聖心大では3月31日に夜の典礼が8時から行われます。そちらにも参加できます。

ご復活に神の豊かな恵みを受けて、新学年に期待いっぱいで登校してきてください。

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