校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

中高等科 後期始業式 10月5日

2017.10.07

後期になりました。すっかり季節も変わり、空気が冷たくなりました。秋の、新しい季節になりました。昨日の中秋の名月を皆さんも見ましたか?季節の移り変わりと、自然の変化の中で、私たちも変わっていきます。

新しい気持ちで後期を始めましょう。皆さんはどのような意気込みで今日を迎えていますか?まず、みこころ祭、と考えている方もいるでしょう。もう明日が準備日です。限られた時間の中、協力して良いみこころ祭を作り上げてください。これまでの準備を活かしてください。

心はみこころ祭へと向かい、慌ただしく感じているかもしれませんが、今日は通知表を受け取る日でもあります。学習は学校生活においてとても大切です。それぞれ前期の努力の結果をしっかり受け止めてください。全体に学習に向けての取り組みは、もっと厳しくなってもよいのではないかと感じています。努力できた部分も大いにありますが、まだ自分を甘やかしている方も多いのではないかと心配しています。後期は、学校全体で落ち着きと集中力をもって、学習にしっかり取り組みたいものです。こつこつと取り組むことが大切です。漢字や英単語の学習など、毎日の積み上げを怠らないでほしいと思います。これは学習姿勢、学習習慣の問題です。そして、その基本は生活習慣です。自分の生活がどのようであるか、見直してください。どこに中心がありますか?クラブ活動や何かを一生懸命やりたいとしたら、どのように学習時間を作り出しますか?授業の取り組み姿勢を考え直してください。学校の授業で、しっかり学ぶこと。せっかく、クラスで学ぶのですから、お互いの学び合いも大切にして、授業には積極的に参加してください。受け身でなく、学びの場を活かす人になってください。

9年生、12年生は次の段階へと向かう区切りの学年です。特に頑張ってください。そして、後期には、8年生、11年生も受け継ぐ責任が大きくなります。

私たちは学ぶ力を神さまからいただいています。その自分の力を自分で育てることは、自分に対する責任です。

9月26日の朝日新聞夕刊に「女の子リーダーになろう」という記事が一面に載っていました。日本はまだまだ女子の活躍が十分でない、色々な壁、見えない壁、人の心の中に壁があり、それを変えて行こうとする高校生女子の活動が紹介されていました。色々なことをしている人がいます。女子高校生向けリーダーシッププログラムの運営に携わっている人、FMラジオ局に関わっている人など紹介されていました。では、リーダーになるとは、どのようなことなのでしょうか。

皆さんは自転車に乗ることが好きですか?将来、自動車の運転免許証を取りたいと思っていますか?日本では女子サッカーやレスリングも強さのあるスポーツ種目です。しかし、世界には、女子が自転車も自動車も許されていない国があり、日本では当然と感じていることが、そうではないことが多々あります。

10月11日は International Day of the Girl Child です。国連で2012年に定められました。国連の組織の一つに UN Women があります。これは男女平等や女性の支援の活動を行い、女性のリーダーシップや社会参加、女性への暴力をなくすこと、安全と平和、女性の経済的自立への支援を目指しています。そこでの今年の International Day of the Girl Child のアジェンダは、女子の子どもの結婚の問題です。世界全体の18歳以下の女子の7分の1が18歳以下で結婚させられていると報告されています。中国以外の発展途上国では、3分の1以上の女子と言われます。多い方から、サハラ以南のアフリカ、中南米、中東、北アフリカの順となります。女子の子どもの結婚は親が決めてしまいます。自由がなく、自分の時間もない。教育の機会が奪われ、仕事の機会も失われてしまいます。暴力にさらされる危険も大きくなります。そして、身体的にも精神的にも早すぎる妊娠と出産は深刻な問題です。UN Women の Web サイトを見ると、女性の色々な状況に接することができます。南アフリカの女子高校生たちのサッカーの練習風景の動画を見ると、とても楽しそうで、生き生き、のびのびとしていました。当たり前と思っていたことが、当たり前でないということを私も改めて学びました。

日本にいる私たちは、世界ではどのような存在なのでしょうか。世界の中には、皆さんと同じ年齢で、結婚させられてしまう人たちがたくさんいます。世界の現実は厳しいです。自分で選べないということは、苦しいことです。選ぶことのできない女子が、世界にはたくさんいます。9歳で結婚させられて、10歳のときに支援を得て、離婚に立ち上がったイエメンの子どもの言葉があります。「 Since forever, I have learned to say yes to everything; today I have decided to say no. もうずっと、私は何にでも「はい」と言うことを身につけてしまっていた。でも、今日、私は「いやです」と言うことに決めた。」これはわがままや自分勝手の No ではありません。自分自身の時間をもつこと、自分で考えて、自分で答えをみつける、自分で選ぶことを許されていなかった女の子の言葉です。子どもがこのように言わなければならない現実の過酷さを考えさせられます。

私たち、皆さんができることは何でしょう?皆さんには、まず自分の時間があります。これは本当にすばらしいことです。自分で考えて、自分で答えをみつける、自分で選ぶことができます。自分の学ぶ力を活かすことができます。これは自分が自分のリーダーになることです。自分の考えをしっかりもつことは、自分が自分をリードしていくことです。毎日の生活で、学校でも、家でも、自分で考えて、自分の行動を定めていってほしいと思います。なんとなく、流されて、はつまりません。チャレンジしないのは、もったいないです。これ位でいいよね?は、言い訳に聞こえます。まあ、いいか、はぴりっとしません。どのような時間の使い方をするか、自分で考えてください。自分でしっかり考えた。なんとかしようと工夫した。やれるだけ、やろうとした。ぜひ、このような毎日の後期の生活にしたいものです。

UN Women の Web サイトで、 International Day of the Girl Child のページをぜひ見てください。検索すればみつかります。世界で生きている、色々な状況の女子の姿に出会います。このような人たちと、今、同じ地球の上で生きている。私とどのような関わりがあるのか、私がどのように生きることを求められているのか、と考えさせられます。ただ映像を見るだけでもおもしろいでしょう。Web サイトは英語ですが、翻訳機能を使うこともできます。

今日の聖書はマルコによる福音書9章33~37でした。弟子たちは自分たちの間で誰が偉いかと話し合っています。これは誰がリーダーかということです。イエスに何を話していたのか、と問われると恥ずかしくなります。弟子たちの問いを、リーダーとはどういう者かに代えて、イエスは答えます。イエスは、リーダーとは人に仕える者、人のために働く者であると答えています。人と比べず、全体のために働く人です。ここでは、generosity も含まれることになります。そして、子どものように、上下関係なく、お互い皆がひとり一人違った良さのある、大切な存在です。子どもには、決まった見方や決まった関係はありません。

後期もお互いの関わりを大切にし、イエスを中心とするコミュニティを作っていきましょう。まず、みこころ祭でひとり一人自分の責任を果たしてください。人任せでなく、ひとり一人 generosity をもって活動してください。そして、初めにお話ししたとおり、今日は通知表をしっかり受け止め、学校全体として、学習に落ち着いて取り組む雰囲気のある後期の日々にしていきましょう。

このページのトップへ
このページのトップへ