校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

生徒研修報告 Global Awareness Workshop in NY

2017.05.09

2016年度グローバル教育の取り組みとして始めたニューヨークでのフィールドワーク研修について生徒の報告レポートをご紹介します。この研修はコアネット教育総合研究所の協力を得て進め、現地では日本語情報誌を発行しているY's Publishing にも協力していただき、2016年7月26日から8月3日に実施しました。事前研修を経て、現地では企業訪問、ニューヨーク聖心訪問、国連とコロンビア大学の見学、ニューヨークで活躍する聖心卒業生との懇談会などの機会を持ち、グローバルに生きる姿勢について学びを深めました。

以下は生徒によるレポートです。

〈GAW 学びのプロセス〉

2016年度に、Global Awareness Workshop(以下GAW) という新しいプログラムが始まりました。GAWでは、以下のプロセスで学びを進めました。

グローバル化した社会で生きる私達として、まず「グローバル人材とはどのような人か」「グローバル人材に必要な力とは何か」というテーマについて、事前学習としてメンバーで話し合いをし、仮説を立てます。そして夏休み中のニューヨーク研修にて日系・外資系企業等を訪問し、社員の方のバックグラウンドや現在の目標、国際社会で働くにあたって何が大事かといったことをお聞きし、仮説が正しいかどうか検証して新たに気づいたことも加え、テーマに対する自分たちなりの考えをまとめます。その気づきを校内の生徒と共有するための企画案を出し、夏休みの最後に学校の先生方に向けてプレゼンテーションします。事後学習としてその企画を実行します。

今回のプログラムには、12年生4人、10年生6人の計10人が参加し、NY研修までは2グループに分かれて活動しました。夏休みのプレゼンテーションの結果、先生方の投票によって選ばれたグループの企画を2グループで協力して実行しました。

私達は問いに対して「グローバル人材とは、夢や目標に向かって進み続ける魅力的な人である」「グローバル人材に必要な力は【発信力】(自分の意見を持つ・発言する・人の意見を聞く力)である」という答えを出し、これを軸に、「聖心OGとの懇談会」「聖心インター生との交流会」「ディスカッション授業の実施」の3つの企画を実行していきました。

1つ目の「聖心OGとの懇談会」は、NY研修での現地在住の聖心OGの方々との懇談会がヒントになりました。そこで得た学びが大きかったため、普段の学校生活では出会えない方々との出会いによって得られる多くの気づきを生徒と共有しようと考え、OGの方々との懇談会として企画しました。

2つ目の「聖心インターナショナルスクール生との交流会」は、文化の異なる姉妹校と交流することで、お互いについて理解を深める目的で企画しました。

〈 聖心OGとの懇談会〉

11月5日土曜日、聖心OGの方々と、OGの方が紹介して下さった方を加えて交流会を行いました。OGとその紹介者の方は22人、生徒は27人(GAWメンバー含まず)が集まり、とても賑やかな会となりました。

~OGとの懇談の様子~

OGと紹介者の方2名・生徒3名の計5人程のグループに分かれ、和気あいあいとした雰囲気の中で行われました。生徒は、OGと紹介者の方の多種多様な職業に大きな関心を持って話を伺い、進路相談なども含めて熱心に質問していました。

OGや紹介者の方々も、生徒の質問に対して真摯に答えて下さり、人生の先輩・聖心女子学院の先輩として、様々なアドバイスをして下さいました。年代の近いOGの方々と生徒の間では聖心トークで盛り上がるなど、楽しいひと時を過ごすことができました。

~懇談会を終えて~

この懇談会を通して、職業という視点からOG・紹介者の方々とお話しすることで、生徒の中に新しい価値観や考え方が芽生え、視野が広がりました。また、聖心というコミュニティの大切さも実感でき、人との繋がりの大切さを実感する機会となりました。

〈聖心インターナショナルスクールとの交流会〉

11月19日土曜日、聖心インターナショナルスクールとの交流会を行いました。インター生18人、聖心生21人が集まり、和やかな雰囲気の中で行われました。

~交流の様子~

あいにくの雨だったので屋内での活動となりましたが、ペーパータワーチャレンジ(コピー用紙とセロハンテープだけでより高いタワーを作るゲーム)や校内での宝探しといった普段出来ないレクリエーション、「ドンじゃん」といった日本の日常的な遊びをし、文化・環境・学校の違いなく打ち解けて交流することができました。

ゲームの後のフリータイムでも話がはずみ、お互いの学校の話をして習慣の違いに驚いたこともありましたが、共通点も多くあることが分かり、すぐにお互い仲良くなることができました。

~聖心インター交流会を終えて~

この交流会を通して、インターの授業内容や課外活動の多様さを知ってインター生との環境の違いを楽しみつつも、音楽等の趣味や部活などでは多くの共通点があることを知り、さらに親密になり、お互いに多くの友達を作り、有意義な文化交流ができました。

〈ディスカッション授業の実施〉

発信力(自分の意見を持ち、発信し、お互いの意見を聞く)の定着を目的に、10年国語現代文の先生に授業時間を割いて頂き、時期やテーマも先生と相談して、ディスカッションの授業を行いました。 評論文を読み、班に分かれて、筆者の意見に賛成か反対か、というテーマで議論をして意見をまとめ、それぞれの班の意見を比較する、という方法で行いました。

~ディスカッションの様子~

 積極的に意見を出し合うだけでなく、相手の意見も聞いて理解した上でより深い議論となりました。お互いの班の意見を比べることで、同じ文章からこれほど考えることが違ってくるのかと驚きましたが、より多角的な思考を身につけることができました。

〈GAWでの活動を終えて〉

 1年間という長い期間のプログラムでしたが、学年を超えて切磋琢磨し合い、実務スキルや礼儀はもちろん、国際社会についての深い理解や自分から考えて行動する積極性、またお互いを尊重することの大切さを学びました。同時に、目的に沿った企画を実行することや、長期間モチベーションを維持する難しさも感じ、自分達の未熟さも痛感しました。しかし、このプログラムで得た気づきは、私達にとって一生大事なものだと思います。互いに認め合い、発信力を持つことを忘れずに、これからも成長し続けていきたいと思います。

 最後に、GAWの活動を支えて下さったすべての方々に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

GAW参加生徒  記:髙柳綾香

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